漫画『今世は当主になります』の59話のネタバレと感想です。
フィレンティアが高級ドレスの宣伝をしていると、そこにブロンドの美少女が現れました。彼女はいったい何者なのでしょうか?
以下にストーリーの続きをまとめたので、ご覧ください。
ドレスの宣伝中、ブロンドの美少女が現れる
美少女の正体
美しい金髪と赤い瞳に、深紅のドレスを身にまとったクールな美少女。
彼女の名は、ジュリエッタ・アビノ。
今から10年後に発売される童話『黄金の鳥の話』のモデルとなった女性です。
冷遇される貴族令嬢・ジュリエッタ
突然現れたジュリエッタに、驚いて黙り込むフィレンティア。
するとジュリエッタはつんとした態度で、私の言葉が聞こえなかったのですか?と再び質問しますが・・・
その態度があまりに失礼なので、周囲の令嬢たちはみんなジュリエッタを責めました。
さらに令嬢たちは、ジュリエッタの態度だけでなく服装や日頃の行いまで侮辱します。
「男性の目に留まりたいからといって、全身が赤いドレスだなんて浅はかね」
「貴族の身分を忘れて見せ物になるだけでは飽き足らず、今度は後援者でも捕まえる気かしら?」
嫌味と軽蔑的な視線にさらされて、険しい顔でわなわなと震えるジュリエッタ。するとその時、フィレンティアが助け船を出します。
「ジュリエッタ様の声がとてもきれいで、呆けてしまいました」
頬を赤らめながら、モジモジと告げるフィレンティア。しかしジュリエッタはその言葉を信じられずに、私をからかっているの!?と口調を荒くしますがーー
それでもフィレンティアは、微笑んで彼女に告げました。
「実はジュリエッタ様の話を聞いて、一度お会いしたいと思っていました。叔母さんがあなたの公演を見た時、あんなに美しい歌声は初めて聞いたと褒めていたんです」
あの厳格なシャナネットが褒めていたと聞き、ジュリエッタも周囲の令嬢たちも驚きます。
するとフィレンティアは追い打ちと言わんばかりに、ジュリエッタの手をガシッと掴んで言いました。
「ジュリエッタさん。もしよかったら…」
有能な人材をスカウトする
「ギャラハン様が、私に後援を…?」
話を聞いた後、ジュリエッタは訝しげな反応をしました。
というのもフィレンティアは『父が新しい既製服を宣伝してくれる人を探している』と説明したのです。
しかし実際のところ、ギャラハンはそんな事は言っていません。フィレンティアは彼女をスカウトするため、咄嗟に嘘をついたのです。
そして通りすがりのクレリバン(状況を見てすぐにフィレンティアの目的を理解した)を巻き込み、一緒にジュリエッタを説得します。
「オペラ舞台の衣装は本当に美しいと聞きました。お父様が考えている条件にぴったりだと思うのですが…」
「ギャラハン衣服店の総責任者として、丁重に話し合いをしたいと思います。どうか貴重なお時間を割いていただけますか」
フィレンティアは子供らしく強請り、さらにクレリバンは持ち前の美貌をフル活用して説得します。
その結果、ジュリエッタは照れながらも「話くらいなら聞いても良い」と承諾し、クレリバンと交渉することになりました。
ジュリエッタ・アビノの生い立ちと、前世での末路
前世でのジュリエッタ・アビノの生涯
ジュリエッタ・アビノは貧しい家庭を養うために、貴族令嬢でありながらオペラ歌手になった女性。
その輝かしい才能と華麗さだけは誰も否定できず、貴族たちはジュリエッタを蔑視しながらも、彼女の着ている服やアクセサリーに注目していました。
そんなジュリエッタに、ラビニ皇后が目を付けないワケがありません。
ジュリエッタは親切な後援者の仮面をかぶって近づいてきた皇后の提案を拒絶できず、その結果、彼女の美貌も才能もアンゲナスの手駒になり果てます。
それに耐えられずジュリエッタは命を落とし、死後ようやく、彼女の事情と家族の厚かましい行動が判明しました。
黄金の鳥は、正しい枝のもとへ
ジュリエッタが去った後。ほかの令嬢たちは、フィレンティアに問いかけました。
「なぜアビノ家の令嬢なんかに優しくするのですか?」
現時点で、貴族たちはジュリエッタの事情を知りません。そのため同情してはいけないと忠告しますがーー
フィレンティアは微笑み「私はただ、美しい女性が魅力的な服を着る姿を見たいだけですよ」と答えます。
これは決して同情でも慈善事業でもありません。
プライドの高い貴族さえ無視できないジュリエッタの美貌と才能。それらを手に入れるため、フィレンティアは彼女をスカウトしたのです。
(今生では、黄金の鳥は正しい枝に泊まって羽ばたくだろう。それにしても私って天才よね。ジュリエッタと会った瞬間、すぐにスカウトを考えるなんて…!)
フィレンティアが内心で自画自賛していると、そこに宮廷の従者がやって来ます。どうやらルーラックが呼んでいるそうです。
そのため彼女は、令嬢たちに別れを告げて従者に付いて行きますがーーー
そう遠くない位置で、第一皇子のアスタナが彼女のことをニヤニヤと見つめていました。
『今世は当主になります』59話のネタバレと感想
59話のネタバレ感想①ジュリエッタの生涯
今回登場したジュリエッタ・アビノ。外見的には冷たい雰囲気のお嬢さんですが、実はもとても優しい子です。
本編だけ読むと彼女の生い立ちが分かりにくいのですが、多分、簡単にまとめると以下のような状況だったのでしょう。
- ジュリエッタは貧しい貴族であるアビノ家に生まれる
- 貧しい家庭を支えるため、オペラ歌手になる
- 美人で才能もあるので、ジュリエッタは注目される
- しかし貴族からは、令嬢が仕事をするなんてと軽蔑された
- 貴族たちはジュリエッタを嘲るが、美人で才能もあるので裏では彼女の着ているドレスなどを真似た
- そのため前世では、ラビニ皇后に利用されて搾取される
- 結果、ジュリエッタは若くして命を落とす。
- 死後ようやく周囲に理解されて、憐憫の的となった
- その後、ジュリエッタをモデルにした童話『黄金の鳥の話』が発行されるが、アビノ家に訴えられて廃盤になった
はい、可哀想ですね。
ラビニ皇后、ホントにろくな事をしません。鬼の所業。
59話のネタバレ感想②今世では破滅フラグを回避
今世のジュリエッタは、運よくフィレンティアにスカウトされます。
なので搾取されることなく、今後はギャラハンに後援されながら黄金の鳥として才能を発揮するでしょう。
なおフィレンティアは同情ではなくビジネスのために彼女と接触しましたが、人助けをしたい気持ちもあったようです。
これは管理人の想像ですが、自分とジュリエッタを重ねているのかもしれません。2人とも才能があるのに、前世ではその才能を発揮できず搾取される一方でしたから。