小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は『外伝29 二分する(2)』の概要をまとめています。
前回エルギ公爵は、エンジェルから「治療魔術師を用意するから仲間になれ」と誘いを受けていましたね。しかしそれを知ったナビエは、同じ条件を出してエルギ公爵を引き止めます。
結局、あの後どうなったのでしょうか?管理人の感想を添えつつストーリーを紹介します。
目次
エベリー視点|ナビエから急報を受け取る
ソビエシュに外出許可をもらう
エベリーの元に、ナビエからの急報が届きます。
かくかくしかじかで治療魔術師が必要なので助けて欲しいけれど、大変なことなので嫌なら無理をしなくてもいい…と書いてありますが、実際は絶対に助けるべき内容でした。
なにせ西大帝国の秘密がバレた場合、メリットがあるのは月大陸連合だけですから。
そこでソビエシュに外出許可をもらいに行くと、エベリーが頼む前にあっさり許可が出ます。というのも、彼の元にも同じ内容の手紙が届いていたのです。
ナビエ視点|ダルタを取り戻すための作戦
ナビエの考え事
「私と手を繋ぐのは嫌ですか?」
ナビエが階段を降りていると、背後から拗ねた声が聞こえます。振り返ると、ハインリが手を虚空に差し出したまま立っていました。
すると隣にいたエルギ公爵は楽しそうに笑い「空気を読んでから誘いなさい」と告げて、1人軽やかに階段を降りていきます。
するとハインリがぎこちなく手を降ろして近寄ってきたので、ナビエは考え事をしていたのだと伝えました。
というのも常時泉に送った使者が、そろそろ到着する頃なのです。
ダルタはエンジェルに奪われましたが、ナビエは諦めたくありません。ダルタは盗賊たちに友好的なので、まだ状況は覆せるでしょう。
ケルドリック視点|皇后の使者が現れる
使者から手紙を受け取る
常時泉のボス・ケルドレックが墓の前に佇んでいると、部下から西大帝国の皇后から手紙が届いたと連絡が入ります。
それを聞いて仕方がなく皇后の使者が来ているテントに乱暴に入りますが、彼は「どんな要件だろうと帰れ」と告げて、使者から渡された手紙も読まずに乱暴に扱いました。
しかしケルドレックが手紙を地面に落とすとバチッ!と妙な音がするので、不思議に思って封筒を開けてみれば、中から小さな指輪がボトボトと落ちます。
そして同封された手紙を読むと、彼は「部下を殺されたのに、傘下に入るワケがないだろう」と呆れて笑いますが…
使者によれば、この指輪は常時泉のせいで不幸に見舞われた人々が属するチームのものだそう。
またこの時、使者は「今後の利益を考えてから答えるように」とナビエからの伝言を伝えました。
エンジェル視点|エルギ公爵の返事と今後の作戦
エルギ公爵からの返事
「期待していた答えではないですね」
メモを読みながら寂しげに呟くエンジェル。ダルタは机で本を読みながら「はい?」と尋ねるも、彼は独り言だと言います。
そのためダルタは勉強を続けますが、背後では彼が「私をこんな風に責め立てるなんて。私のナビエ、最高です。興奮する…」と独り言を続けていました。
彼が手にしたメモはエルギ公爵から送られたもので、”エンジェルの誘いを断る”とだけ書かれていました。
しかし彼はエルギの行動やナビエ、エベリ―との関係性を思い浮かべて、事態を正しく把握したのです。
エンジェルの結論
エンジェルはメモを読み終えると、びりびりと破きます。
そしてダルタの傍にやって来ると「同じ宝石は二人も必要ありません。仇を討つ時期が近づいてきました」と告げます。
つまりエンジェルは、エルギ公爵を仲間に引き込めないと知って、エベリーを狙う作戦に変更したのです。
ダルタ視点|イスクア子爵夫婦の財産管理人に会う
財産管理人から聞いた話
東大帝国の首都に到着すると、ダルタは馬車から降りてメモに書かれた住所へと向かいます。というのも、イスクア子爵夫婦の財産管理人がそこにいると聞いたのです。
・・・
事務所に到着したダルタは、イスクア子爵夫婦の財産管理人だったと名乗る女性と対面します。
最初、財産管理人はダルタのことを夫婦の財産目当てだろうと誤解するも、ダルタのブレスレットを見ると娘だと気づき、今までの事情を話してくれました。
- イスクア子爵夫婦が残した遺産があった
- 夫婦は無くなる前、末娘に会いに行った
- 遺産は末娘に渡された
- しかし末娘は、イスクア子爵夫婦が親だと知らない
ダルタが現れた今、遺言を残された当時とは状況が違っています。そのため彼女は、躊躇しながらも事情を話してくれたのです。
真実を知る
妹を取り巻く状況について知ったダルタは、混乱した心を抑えながら質問します。
「私は妹を探してはいけないのでしょうか?妹はここに住む人ですか?元気ですか?あの子は私の存在を…ああ、分からないのか」
すると財産管理人は、口元に悲しい笑みが浮かべて「治療魔術師のエベリー様です」と答えます。
その言葉に、ダルタは持っていたカバンを落としました。
『再婚承認を要求します』外伝29のネタバレ感想
『再婚承認を要求します』外伝29の感想
ついにダルタが、エベリーが自分の妹だと知ってしまいました。
彼女は真実を知った瞬間にカバンを落としていたので、全身から力が抜けたのかなと思います。あれだけ探した妹が憎い相手だった…となると、非常にショックを受けたはずです。
ただし個人的には、今ダルタが真実を知ったことで最悪の展開は免れたのかなと思います。
一番最悪なのは、エベリーが被害に遭ってからダルタが妹だと知ってしまうパターンだと思っていたので。この鬱展開に比べれば、早めに真実を知れて良かった気はします。
今ならまだ、ダルタとエベリーが和解するチャンスは残っているはずですから。
エンジェルとダルタの話
結局のところエルギは、エンジェルの誘いを断りましたね。
そして一方、断られたエンジェルは彼を引き止める事もせず「エルギ公爵を利用してエベリーを狙う」という作戦にチェンジしました。容赦ゼロ。
しかも彼は、ナビエに反撃を食らった状況なのに全く怯みません。エルギからの返事を読んで「興奮する」とか言ってる辺り、楽しんでいる印象すら受けます。本当にブレないなこの人。
あと本編を読んだところ、ダルタが大分エンジェルに振り回されているようです。
エンジェルは普段から独り言ばかり…というか基本的に1人で話して1人で解決する人なので、ダルタはこれからどうするのか説明を受けていません。
かろうじて、エルギ公爵を利用してエベリーを狙うことは理解しているようですが…見たところ、結構苦労している印象です。
エルギはやっぱりナビエの申し出とハインリへの友情を取ったのですね。
このお話は対になってることが多いですが、嘘でアレイシアを追い出したソビエシュに対し、真実でアレイシアを追い出せないエルギが対になっていたのですね。
子供の頃から今までエルギがどんなに虚しい思いをしていたのかと思うと、いくらナビエの申し出とはいえハインリと同じく東大帝国の力を借りずにエンジェルを頼ってもやむを得ないと思ってました。
以前再婚承認後2人がソビエシュに軟禁されていた時にも結局自分の利益よりも2人を逃がすことを選んでくれた事を思い出しました。
エベリーもダルタも絡まった思いがほどけるといいですね。
>名前なしさんへ
コメントありがとうございます。
言われて気付いたのですが、確かにソビエシュとエルギは対になってますね。
エルギはもう十分苦労したので、早く救済されてほしいです!