小説版『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は『外伝21 姉妹(1)』の概要をまとめました。
前回のラストで『恋の妙薬』を飲んでしまったナビエ。自分の愛には情熱が足りないのでは…と心配した結果、危険物に手を出してしまいました。
今後ナビエはどうなるのでしょうか?ネタバレを見てみましょう。
目次
ナビエが『恋の妙薬』飲んだ結果
積極的なナビエに、戸惑うハインリ
ハインリは自分が夢を見ていると思いました。
今日のナビエはやけに積極的で、いつもと様子が違うのです。笑みが深く、瞳は輝き、ずっとタメ口です。
「こんな感じなんだ」
彼女はそう呟くも、ハインリには言葉の意味が分かりません。妻の様子が妙なので、当然ながら心配しますが…
ナビエが深くキスをしたり「あなたというお酒に酔った」と愛の言葉を囁いたりするものだから、彼はわけもわからず浮き立ちます。
(前にルイフトの衣装を着て待っていたのが気にいったのだろう。そのご褒美かな)
妻への心配はどこへやら、上機嫌になるハインリ。
しかし、その時。
ベッドの端にぶら下がった”緊急用のベル”が鳴ったので、 ハインリは額に手を乗せてため息をつきました。
翌日、正気に戻ったナビエは…
”恋の妙薬”を飲んでハインリを見た瞬間。ナビエは急にすべてが幸福だと感じ、彼がひどく魅力的に見えました。
なお摂取量が少なかったので妙薬の効果はすぐ消えたものの、恥ずかしさは翌日になっても消えません。
ナビエは自分に足りない愛の情熱を知りたかったのに、カフメン大公の感じた羞恥心を知ってしまったのです。
マスタスとの再会を喜ぶ
騎士たちの帰還
その日は、マスタスや騎士たちが帰還する日でした。
彼らの戦功を称えた後、マスタスは着替えてナビエたちのいる応接間へとやって来ます。するとマスタスと侍女たちは抱き合って喜び、ナビエはその様子を微笑ましく眺めました。
さらにその後は庭でティーパーティーを開き、マスタスはお菓子を食べながらにっこり笑いますが…
それが、彼女の見せた最後の笑顔でした。
ダルタ視点|母の敵・マスタスに会う
母の敵
コシャールとの仲は順調かと、恋愛事情をあれこれと追及する侍女たち。オロオロしながら首を横に振るマスタス。
優しくて愉快な光景。しかし、その様子を隠れて見ていたダルタは億劫でした。
ーー母の敵。
彼女はマスタスを睨みつけると、その場を後にしました。
監獄へと侵入
「私がここで、あいつに復讐できる確率はどれくらいだろうか。とても強いらしいから、一対一でも厳しいだろうな…」
夜遅くに、ダルタは一人呟きながら監獄に侵入します。マスタスが捕えた常時泉の盗賊が、誰なのか確認しに来たのですが…
独房の中にいたのは、昔から”おじさん”と慕っていた相手。母親の友人でした。
鉄格子をつかんで、声を出さずに泣くダルタ。しかし何もしてやれず、結局ダルタは手ぶらで監獄を出て行きました。
落ち込みながら遠ざかる背中を、カラスが見下ろしていると気づかずに。
ダルタの行動はナビエにも報告される
ナビエの推理
ダルタが監獄に立ち寄ったことは、当然ながらナビエにも報告されます。
今まで、たまにエベリに会う以外は妹探しだけしていたダルタが、ついに怪しい行動を見せたのです。
そして今回だけ監獄に行ったとなると、最近の収監者…つまり常時泉と関係があるのだろうかとナビエは推理します。
結局クロウには監視を続けるよう指示し、その後はマスタスを呼んでダルタのことを紹介しました。もしダルタが盗賊なら、マスタスは何かしら反応するでしょうから。
しかし予想に反して彼女は無反応。そのためナビエは、もう少しダルタを見守る事にしました。
ダルタ視点|”彼”からメッセージが届く
マスタスに挨拶をしたあと、ダルタは心臓をドキドキさせて部屋に戻りました。顔を覚えたので、いつか復讐する日が来るでしょう。
しかし同時に、ここでの楽しい日々が幻想だと実感して落ち込みます。そして気力のないまま机で本を開くと、ある1ページに見知らぬ”しおり”が挟まれていました。
誰が置いたのだろうか。震える手でしおりを開くと、そこには流暢な字が書かれていました。
”うまく潜入できたようで嬉しいよ。私の目と耳”
『再婚承認を要求します』外伝21のネタバレ感想
感想①ハインリ、それはちょろすぎるよ
相変わらずハインリは、ナビエが絡むと思考回路が残念になりますね(笑
外伝21話の冒頭シーンで、ハインリは最初こそ「様子が変だな」とナビエを案じていました。でも彼女に口説かれた途端、浮き立ってしまい「前にルイフトの衣装を着たのが効いたんだ!」と上機嫌になります。
彼はナビエを心から心配しているのに、誘惑されるとすぐに心配事を忘れますね。変わり身が早すぎるよ!いや、素直で可愛いけれども!
思えばハインリは前回も、ナビエを心配していたのに誘いを受けた瞬間にやけていました。好きな女性が珍しくグイグイ来るから、ハイテンションになったのでしょう。なにせ彼はMですから。
感想②本文中にあったフラグ
今回、ダルタとマスタスの関係が気になりましたね。特にストーリーの中盤あたりでは、意味深な文章もありました。
なお以下のシーンです↓
それがマスタスの見せた最後の笑顔でした。
引用元:『再婚承認を要求します』外伝21
え、これ何のフラグ?
完全に死亡フラグですけど、もしかしてダルタに復讐されるの?え、やだ怖い。こんなに平和なのに、血で血を洗う展開になるのでしょうか…
感想③ダルタの複雑な心境
多分、ダルタの情緒はグチャグチャでしょうね。
彼女はいつかマスタスに復讐したいと思っていますが、同時に宮廷生活が楽しいとも思っています。ダルタの独白によれば『マスタスを見たせいで、この楽しい日々がいつか消える幻想だと実感して落ち込んだ』との事なので、内心複雑でしょう。
おまけに今回、仲間を見捨てるという選択を強いられました。監獄に捕らえられたのは、昔から付き合いのあるオジサンだったようです。
宮廷内はこんなにも平和なのに、ダルタの世界は平和ではありません。悲しいですね。