漫画『外科医エリーゼ』のネタバレと感想です。今回は42~45話までのストーリーについてまとめました。
前回のラストでは敵が40万もの兵力を保持していることが判明したので、エリーゼの家族たちも戦地に行かなければなりません。
このままでは前世の二の舞ですが、エリーゼは彼らの参戦を止められるのでしょうか?
目次
42話:戦争が始まり、クロレンス家にも徴収命令が下る
王宮での会話
敵を迎え撃つには戦力が必要なので、クロレンス家からも2名ずつ参戦することになります。
つまりエリーゼの兄2人も戦争に参加しなければならないのです。
そのため皇帝陛下はエリーゼの父・エル侯爵を気遣います。父親として、息子を戦地に行かせるのは辛いだろうと思ったのです。しかしエル侯爵は「国のために戦うのは、貴族として一番の名誉です」と気丈に答えました。
皇帝陛下は、息子・リンデンのことも心配していました。リンデンは超常能力が使えるので他の人間よりもずっと強いけれど、それでも銃弾は避けられませんから。
ロンド疫病事件
その頃、エリーゼが勤務する病院では異変が起きていました。というのも腹を下して死亡する患者が、2日間で4人も出たのです。
その症状を見て、エリーゼは ”疫病” の可能性があると考えました。もし疫病であれば、国内で大量の死人が出るでしょう。そのため医師たちは他の病院に連絡して、調査をはじめます。
実はこの時期に、エリーゼの前世でも伝染病が流行していました。10万以上の死亡者を出したこの事件は『2次ロンド疫病事件』と呼ばれていたのです。
だからこそエリーゼは、前世での悲劇を繰り返さないよう使命感に燃えますがーーーその時、彼女の前に、ロン(=リンデン王子)が現れました。
43話:必ず戻って、それを返して下さいね
ロンは遠征に参戦すると伝える
ロンは話があると言って、エリーゼを近くの公園まで連れて行きます。そして彼女の顔をじっと見ながら、自身が『第二次クリミア遠征』に参戦することを伝えます。
するとエリーゼの瞳には涙が浮かびます。彼女にとって、いつしかロンは特別な存在になっていたのです。
そして別れの言葉を告げた後、ロンは帰ろうとしますがーーーエリーゼは彼を引きとめて、自分が身に付けていた十字架のペンダントを渡しました。
このペンダントは母親の形見。それをロンに渡し「このペンダントを預けるので、帰ってきたら必ず私に返してくださいね」と微笑みます。すると彼は優しく微笑みながら、必ず返しにくると約束するのでした。
兄の参戦を知る
エリーゼはその後、実家のクロレンス邸に戻ります。
しかし2人の兄も参戦すると報告を受けたため、自室で泣きじゃくります。今回もまた兄二人を亡くすなんて、絶対に嫌だったのです。
すると自室に2番目の兄クリスがやって来たので、エリーゼは「お願いだから行かないで」と懇願しますがーーーこの時点で、兄の参戦はすでに確定していました。
44話:疫病がどんどん広がり、国全体が大騒ぎになる
兄・クリスの参戦が決まる
エリーゼは悲しさのあまり、泣きながら自室を飛び出します。そして誰もいない廊下のすみで、1人で膝を抱えながら考えました。
兄を死なせたくない。でも助ける方法が分からない。そうして答えを出せないまま考え続け、エリーゼは鬱々とした気持ちのまま夜を過ごしました。
疫病により79人の死者が!
翌日、クロレンス邸にグレアムが訪れます。グレアムが例の疫病事件について調査したところ、国全体で死者が79名もいたそう。前世で問題になった『第二次ロンド疫病事件』が再び起ころうとしているのです。
そのため宮廷でも疫病対策会議が開かれますが、そこで決まった対策方法は間違いだらけ。疫病は汚染された水が原因ですが、会議では「悪い空気が原因だから取り除く」という結論になったのです。
一方で、エリーゼとグレアムの2人は疫病対策について専門的な話を続けます。2人とも医学のプロなので、こちらは疫病の原因が汚水であると気づきます。
そして同時にエリーゼは ”ある事” を思いつきます。
たった1つだけ、疫病対策をしつつ兄を参戦させない方法があったのです。
45話:兄を守りつつ疫病も防ぐ!エリーゼの作戦とは?
エリーゼの作戦
ノブレス・オブリージュを果たしながら、兄を参戦させない方法。これを実行するために、エリーゼは正装して王宮に向かいます。
エリーゼは皇帝陛下に謁見し、今回の疫病について対策方法があると説明します。そして「私に任せてもらえるのなら、3日以内に問題を解決します」と宣言したのです。
皇帝陛下は驚きますが、現状では他に策もありません。そのため、陛下はこの件についてエリーゼに任せます。なにせ、たった数ヶ月で医学会をゆるがした”エリーゼ”の意見ですから。
しかしエリーゼが疫病を問題を解決したとすれば、これは医者として価値のある仕事をしたと言えます。つまり彼女は、皇帝陛下との賭けに勝ったことになるのですが・・・
なんとエリーゼは「私が伝染病を解決しても、王子と結婚して皇后になります」と言い出しました。
しかしエリーゼは、結婚する代わりに条件を出します。
1つ目の条件は、婚約式をクリミア戦争後に先延ばしすること。2つ目は、王子がエリーゼとの結婚を望んでいないなら王子の意見を尊重すること。
そして3つ目は、疫病事件を解決した後にエリーゼの”お願い”を聞くこと。
すると陛下はそれを承諾し、また彼女の願いは必ず叶えると約束してくれました。
エリーゼ、医者を諦める
陛下との交渉が終わった後、エリーゼは王宮の外に出て今までのことを思い出します。
エリーゼは、絶対に医者になりたいと願っていました。前世では自分のせいで大勢の人を不幸にしてしまったから、その過ちを繰り返さないためにも、自分は皇后になるべきではないと考えていたのです。
しかし今回、エリーゼは皇后になることを決意しました。疫病を防いで兄を戦争から守るには、それしか方法がなかったのです。
けれど皇后になれば、医者になる夢は叶わないでしょう。今までの努力は水の泡。あんなに努力したのに、結局は原点に戻ってしまいました。
そのため宮廷の庭でこっそり泣いていると、後ろから大好きなロンの声が聞こえたので、エリーゼは振り向きますがーーー
そこにいたのはリンデン王子でした。
外科医エリーゼ・今回のネタバレ感想
エリーゼの考えた、兄を守る方法とは?
どんなに強い人だって、戦争に行けば命を落とす可能性があります。ロンも皇帝もエリーゼの家族も、みんなそれを理解しています。
けれど貴族や王族には国防の義務があり、国家が危機にさらされた時は、率先して戦わなければなりません。みんなそれを理解しているから、参戦に反対したり嫌がったりしませんでした。
エリーゼも多分、その点については理解しているはずです。けれど家族を二度も失うのは耐えられないから、どうにかして兄の参戦を失せぐ手はないかと思案します。
そして考えた末、兄を参加させない方法を思い付いたようですがーーーこの方法が何なのか、現状では不明です。しかしエリーゼが『貴族の義務を果たしつつ兄を参加させない方法がある』と言っていたことから、何となく察しはつきますね。
義務を果たすには、誰かが犠牲になる必要がある。けれどエリーゼは、兄にその責務を背負わせたくない。では誰が犠牲になるのか?
ーーーはい。懸命な読者様なら、もう気付いたと思います。つまり、そういう事です。
これはエリーゼにとっては最良の方法かもしれませんが、きっと彼女の家族は悲しむでしょうね。
ロンのはなし
ロン・・・もといリンデン王子は、自身の参戦についてエリーゼに打ち明けた時、ひたすら彼女を労わっていました。
もう会えなくなるかもしれない。でも今まで一緒にいれて楽しかった。これからも元気でな。
彼が話したのは、そういう言葉ばかり。恐怖心もあったはずなのに、彼は少しも弱音を吐きませんでした。彼が強いのは知っていますが、あの若さで一つも弱音を吐かないのです。
なんだか悲しいですね。早くリンデンとエリーゼが結婚して、彼が弱音を吐けるようになればいいのに…‥‥と思ってしまいました。