漫画『余命わずかの脇役令嬢』の13話~14話のネタバレと感想です。
前回、ついにミリアンは『芸術病』のことを知りましたね。カリナはもう手遅れだと知った今、彼はどんな行動に出るのでしょうか?
以下にストーリーの続きをまとめたので、ご覧ください。
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13話|カリナが芸術病だと知ったミリアンはーー
芸術病の恐ろしさ
カリナは芸術病にかかっており、命を落とす可能性もある。また現時点では治療法がないーーその事実を知ったミリアンは、深刻な表情をします。
そして医師が部屋を出て行った後。ミリアンはすやすやと眠るカリナを見つめながら、一体どれだけの間ひとりで抱え込んできたのか…とカリナを心配しました。
・・・
夜になると、ミリアンは伝書鳥を呼び出して手紙を配達させます。そして飛び去る鳥を見つめながら思いました。
(本格的に雪が降る前に、フェリオールからの返事が来ればいいのだが)
その頃、南部では医師が動き出していた
「突然北部に行くだなんて…どういうことですか先生!?」
「しばらく診療所は任せたぞ。来年の春には戻る。」
ノクターン(※)が慌てて止めるも、白髪の医師(カリナに薬を渡した人)は淡々と答えます。
というのも医師は、カリナのことがどうしても心配で自ら北部に行くことにしたのです。
北部には芸術病に詳しい診療所もないので、医師は尚更カリナが気がかりでした。
「あんな状態になるまで放っておかれるなんて…親がもう少しあの子に関心を持っていれば、あそこまで酷くならなかっただろうに…」
そしてノクターンに診療所を任せると言い残し、医師は馬車に乗って北部へと旅立ちました。
その頃のレオポルド家
「カリナの行方はまだ分かりませんか?」
レオポルド家の執務室にて、カリナの兄・インフリックは心配そうな顔をしながら父・カーシスに質問しますがーー
父親から返ってきたのは「まだ捜索中という報せしかない」という淡々とした返事だけ。
インフリックは兵士を送って捜索させてはどうかと提案するも、すでに首都を出ていれば私兵は送れないと父親は答えます。
「まったく、あの頑固さは一体誰に似たのやら」
父親は眉をしかめながら書類を確認します。
するとその時、ふと机の上に置かれた家族の肖像画4枚が目に移ります。そこには家族の集合絵と、アベリアやインフリックの肖像画が置かれていますがーーー
この時、父親はカリナの肖像画だけが無いことに気付きました。
14話|父親・カーシスはカリナの部屋を訪れる
父親・カーシス視点
父・カーシスは廊下を歩きながら、以前カリナに言われた言葉を思い出していました。
『私の部屋、知っていたのですね。ここ数年1度も訪ねて来ないので、忘れていると思っていました』
そして彼は何となく、カリナの自室を訪れます。
綺麗に掃除されたその部屋を見回すと、机の上には絵を描くための道具とカリナの絵が置かれていますがーーー
そこにある1枚の絵を見て、カーシスは神妙な顔をします。家族で散歩に出かけた様子を描いた絵なのに、そこにはカリナだけがいないのです。
するとそこに、妻も現れます。
彼女もカリナのことが気になって来たらしく、カーシスが手にしていた絵をじっと見つめて言いました。
「幼い時はよく私のもとに絵を持ってきて見せてくれましたが、いつからか恥ずかしいのか見せなくなりました。それで飽きたと思っていたのですが…カリナは元気でしょうか?」
心配そうな顔をする母親。また彼女によれば、兄妹たちはみんなカリナを心配しているそう。特にアベリアは、お姉さまはいつ帰って来るのかと何度も聞くのだとか。
するとカーシスは、私がちゃんと捜索するから心配するなと妻に言い聞かせますがーーそれでも彼女の表情は晴れませんでした。
アベリア視点
「リア…そんな顔をしてどうしたんですか?」
「あ…ううん、何でもないの。ただお姉様が心配で…もういなくなってから2カ月も経つのよ?」
ノクターンの質問に答えると、アベリアはカリナとの思い出を語りはじめます。
昔から、アベリアが体調を崩した時はいつもカリナが傍にいてくれました。童話を読んで欲しいといえば読んでくれたし、一緒に寝てほしいと言ったら寝てくれたのです。
だからアベリアは、友達がいなくても寂しくありませんでした。彼女にとってカリナは、とても良い姉だったのです。
しかし嬉しそうに語るアベリアとは対照的に、ノクターンは微妙な顔をします。というのも彼は『カリナはあまりアベリアのことを好きではないのかも』と思っていたのです。
またこの時アベリアは「最近見つけたんだけどお姉様にはすごい特技があるの!」と言って1枚の絵を取り出します。
それはカリナの描いた風景画で、まるで実物のように生き生きしています。そのためノクターンは、本当にこれをカリナお嬢様が描いたのですか?と驚きました。
ノクターンはある可能性に気付く
カリナの絵を見た後。
ノクターンは急ぎの仕事を思い出したと言って、アベリアの部屋を出て行きます。そして鞄から1枚のカルテを取り出すと、ある可能性に気付きました。
というのも医師が残した『とある患者のカルテ』には次のように書かれていたのです。
- 名前:カリナ
- 病名:芸術病と推定
- 特記事項:余命は無くない
まさか…そんな訳がないよな。ノクターンはそう呟くも、彼の疑問に答えてくれる人は誰もいませんでした。
『余命わずかの脇役令嬢』のネタバレ感想と補足
13話の補足|肖像画の件について
父親・カーシスの机には、家族の肖像画が置かれています。忙しい時でも、家族の顔を見ていたいと思っているのかもしれません。
基本的には、愛情のある父親なのでしょう。基本的には。
でもカリナが描かれているのは、家族の集合絵1枚だけ。他の兄妹3人はそれぞれ肖像画が置かれているのに、カリナの肖像画だけが無かったのです。
このシーンから、父親が無意識のうちにカリナを蔑ろにしていたことがわかりますね。
14話の感想①岡目八目
妹のアベリアは無邪気ですね。
大方彼女は、カリナが優しくしてくれるのは”良い姉”だからだと思っているのでしょう。十中八九、カリナの苦痛には気づいていません。
でもノクターンの方は、薄々ですがカリナの内情に気付いている様子。なにせ家を出て2カ月も経つのに、妹に手紙の1通も送らないのですから。
皮肉なことに、身内よりも他人のほうが状況を把握できています。