『悪女が恋に落ちた時』の97話のネタバレと感想です。
前回、主人公はダンテ戦で力を使い果たしました。しかし彼女の魂はまだ消えておらず、今回は夢の中で『ルペルシャ皇女』と再会します。
宿敵であるバヌス家を倒した今、2人は何を話すのか。ストーリーの続きをまとめました。
目次
ダンテとの戦闘後、主人公は見知らぬ場所で目を覚ます
夢の中でルペルシャと再会する

主人公が目を覚ますと、そこは天国のような場所でした。なお彼女は本来の姿に戻っていて、周囲を見回してみるとーーー
すぐ傍に『本物のルペルシャ皇女』がいて、彼女はとんでもなく不機嫌そうな顔で主人公を睨んでいました。


そしてルペルシャ皇女は主人公の傍まで来ると、真剣な面持ちで言いました。
このまま魂が消滅したら、主人公は記憶も何もかも消滅するでしょう。そうなれば後悔するだろうから、勢力を失ったバヌス家の人間を探してラファエリスを完治させればいいと。
つまり体にもどって自分の人生を生きればいい…というのが彼女の主張でした。
ルペルシャ皇女はすべての真相を明かし、主人公を説得する
すべての真相と2人の関係
確かにルペルシャ皇女の言う通り、主人公には後悔がありました。しかしどんな結末になろうと、主人公はもう決めているのです。
自分の人生は『ルペルシャお姉様』のために捧げよう。それこそが自分がこの世に生まれた理由だと、主人公は信じてやまないのです。
その言葉を聞いたルペルシャ皇女は深いため息をつきました。何を言っても主人公が言うことを聞かないので困り果てているのです。
そして彼女は少し悩むも、主人公の意地をくじくために『すべての真相』について語り始めました。
- ルペルシャの母・リシアンは特別な存在であり、一族で初めて「神力」を扱えた
- 当主のダンテ・バヌスは、その力を『永遠の命』を実現させるために利用する
- 実験を成功させるため、リシアンはトリエル帝国と政略結婚をさせられる
- こうして永遠の命をもたらす「風の花」を得るため、ラファエリスの実験が始まった
- 実験する経過で生まれた子供が、ルペルシャとその妹・アリシャ
- アリシャは生まれつき純度の高い魔力と精霊親和力を持っていたが、実験に失敗して幼くして命を落とす
- 当時のルペルシャは幼かったため状況を把握できずにいたが、その後、実験に参加して真相を知る
- ルペルシャは妹の魂をそのままにしておけず、神力を利用して別世界に送った。その妹こそが主人公である
- その後、ルペルシャは実験のため『希代の悪女』というレッテルを貼られてこの世を去る
- しかしここで予想外の事態が起きた。なぜか彼女は前世の記憶を持ったまま再び「ルペルシャ」として生まれたのである
- 彼女はその後何度も回帰を繰り返しながら、その度にアリシャを生かして自分を殺した
- しかしある日、別世界で幸せに生きているはずのアリシャが死亡する
- ルペルシャは妹を助けるため、彼女の魂を自分の体に宿らせた
- なお主人公が元の世界で読んだ小説は「媒介体」である
- ルペルシャは妹が恋しくて魔法でいつでも見られる通路を作ったが、妹がこちらの世界の悪夢を思い出してはいけないと思いストーリーを多少変えた
すべては妹を守るためだった
ルペルシャは妹―――もとい主人公を守るために、何度も人生を繰り返してその体さえも譲ってくれたのです。
その事実を知った主人公はぼろぼろと涙を流し、そんな彼女をルペルシャは優しく抱きしめながら言いました。
いくら回帰しても変わらない現実に絶望して諦めかけたこともあったけど、結局それはできなかった…と。
なぜならアリシャだけが、ルペルシャの生きる意味だからです。
政略結婚で生まれたルペルシャとアリシャは両親からの愛を得られず、またラファエリスの実験体として悪意ある噂に苦しめられていました。そのため2人にとっては、互いが世界の全てでした。
それにルペルシャの脳裏にはアリシャの笑顔が焼き付いているので、彼女を諦めることなど決してできません。
そして長年秘めていた本心を語るとルペルシャは微笑みながら涙を流し、主人公もまた同じように涙を流すのでした。
悪女が恋に落ちた時97話のネタバレ感想|ようやくの伏線回収
97話のネタバレとおさらい

主人公の正体は、ルペルシャの双子の妹・アリシャでした。
これで連載当初からずっと謎だった『なぜルペルシャは主人公に自分の体を渡したのか?』が明らかになりましたね。
自分の体を渡したのも助言をして危険から遠ざけようとしたのも、すべては妹を守るため。ルペルシャにとっては妹が世界の全てであり、それだけが生きる意味だったのです。
その一方で別世界に送られた妹(=主人公)はルペルシャのことを忘れてしまいますが、今までの言動を思い返すと、忘れただけで魂(?)には記憶が刻まれていたように思います。
つまり主人公がルペルシャに惹かれたのは必然だったのです。
だからこそ小説で読んだ『ルペルシャ』に深い愛情を抱き、自分の全てを捧げようとしたのでしょう。
次回のみどころ
主人公はルペルシャに体を返し、自分は消える予定でした。
しかしルペルシャの望みは妹・アリシャの生存であり、何度も回帰を繰り返しては妹を守って自分を犠牲にしています。
つまり主人公の望みとルペルシャの望みは真逆であり、どちらか一方の願いしか叶わないのです。
その真相を知った今、主人公はどんな決断をするのか。次回が楽しみですね。