漫画『皇帝の子供を隠す方法』の17話のネタバレと感想です。
アステルはようやく狩猟の館に到着するも、もうとっくに夕方を過ぎているので今ごろテオールの瞳は赤色に戻っているでしょう。
もう手遅れだと項垂れるアステル。この先どうなるのでしょうか?
テオールの正体がバレたのではと思い、アステルは身構える
テオールの正体がバレた?
カイゼンがやけに険しい顔をするため、アステルは息子の正体に気付かれたのでは…と不安になります。さらに彼はすぐ傍まで近づいてきてーーー
アステルの肩に、自分の上着をかけました。
予想外の対応をされてポカンとするアステル。どうやらカイゼンは、単にずぶ濡れの彼女を心配しているだけのようです。
さらに暖炉の方を見ると、猟犬と一緒にテオールが気持ちよさそうに眠っています。
「犬と遊んでいて雨に濡れてな。あそこで服を乾かしていたが眠ってしまった」
そう話すカイゼンは、普段と変わらない表情をしています。
そのためアステルは退席の挨拶をしてから、テオールを抱き上げて別室に連れて行きました。
正体がバレていないと知って安堵する
別室に移動するとテオールが目を覚まし、その瞳はやはり赤色に戻っていました。けれどまだ眠たそうなので、アステルは我が子を抱き締めながら再び寝かしつけます。
(カイゼンの反応を見る限り、テオールは瞳の色が戻る前に眠りについたようだ。よかったバレていない。この子の正体は気づかれていない…!)
秘密を隠し通せたことに安心し、アステルは瞳に涙を浮かべるのでした。
ベリアンは不可解な行動だらけのアステルを怪しむ
ベリアン視点
書斎に残ったベリアンは、カイゼンにこれまでの経緯を説明します。
というのもアステルは狩猟の館に向かう際、テオールは病み上がりだから薬を飲ませなければならないと言って雨のなか馬で走って来たのです。しかも来る途中、彼女は時間を気にして焦っているようでした。
ベリアンからすれば不可解な点だらけ。しかしカイゼンは、あの子は相当体が弱いのか?と心配するだけで全く疑いません。
(予想通りあの親子をまったく疑わない。陛下らしくない)
ベリアンはそう思うも口には出さず、『薬』について一度調べてみなければと考えました。
アステルの策略
書斎にアステルがやって来たので、カイゼンは勝手に子供を連れ出した件について謝罪します。そして物憂げな表情で尋ねました。
「あの子に薬を飲ませるために来たそうだな…そんなに具合が悪いのか?」
彼は都合よく解釈してくれたので、アステルはこれをチャンスと捉えて話を合わせます。
「…特に病名はないのですが、祖父から聞いた話では母方の家系では時々このような体の弱い子が生まれるそうです」
さらにこのとき部下から、デンツ城にいるカレンベルク侯爵(アステルの母方の祖父)が数日前から頭痛と眩暈を訴えていると連絡が入ります。
そこでアステルは女優並みの演技力を発揮し、涙を流しながら告げました。
「お爺様が…私のせいだわ…住み慣れた土地を離れ、心労が重なったのでしょう…」
アステルが泣き出すので、カイゼンとベリアンは困ったように顔を見合わせます。
しかし彼女は内心、よし計画通りだわ…とほくそ笑んでいました。
実のところ、カレンベルク侯爵が体調を崩したというのは嘘。彼はとても壮健な人で、病気ひとつ滅多にしません。
しかしアステルが先日出した手紙に『持病の頭痛』と書いたため、侯爵は彼女に策があることを察して芝居を打ってくれたのです。
そして予想通りに事が進んだ今、アステルは一気に畳み掛けるため真剣な表情でお願いしました。
「陛下、一つお願いがございます。私と子供だけ先に、デンツ城に向ってもよろしいでしょうか」
『皇帝の子供を隠す方法』17話のネタバレと感想
17話のおさらいとネタバレ感想
いろいろありましたが、結局のところテオールの正体はバレずに済みました。
目薬の効果が切れたため瞳はとっくの前に赤色に戻っていましたが、眠っていたため誰にも瞳を見られていないようです。
不幸中の幸いですね。一歩間違えば大惨事でしたが、最終的には運がアステルに味方しました。
しかし今回の件により、ベリアンはますますアステルを疑うようになります。
いくら子供が心配とはいえ、ひどい雨のなか薬を飲ませるためだけに馬を走らせるのは不自然です。
テオールが現在進行形でひどい病に犯されているならともかく、アステルの言い分は「病み上がりの子供に薬を飲ませなければならない」というもの。
ベリアン視点だと、過保護すぎて不自然に見えるでしょう。何かを隠していると思うのも当然ですね。