漫画『余命わずかの脇役令嬢』の9話~10話のネタバレと感想です。
今回の9話では、レオポルド家がようやくカリナの失踪に気付きます。両親はこの状況に、どう対応するのでしょうか?また、
以下にストーリーの続きをまとめたので、ご覧ください。
←前回 | 今回 | 次回→ |
7~8話 | 9~10話 | 11~12話 |
9話前半|レオポルド家はやっとカリナの失踪に気付く
カリナの失踪
2カ月前。
ちょうどカリナが屋敷を去ってから2日後に、レオポルド家の人たちはカリナが消えたことに気付きます。
カリナの部屋に入ったメイドが、彼女の置き手紙を見つけたのです。
すると食卓に集まっていた家族は、皆カリナを心配しました。
「カリナの誕生日とピクニックが重なって気を悪くしたのかもしれません…僕が違う日に休暇を取っていれば…」
「心配するのを知っていながら手紙だけ残して行くなんて…そんなにピクニックが嫌なら一言言ってくれれば良かったのに…」
冷や汗をたらす兄・インフリックと、悲しそうに告げる母親。
そして父・カーシスは頭を抱えながらも、まだ遠くには行っていないはずだと状況を楽観視していました。せいぜい1~2週間もすれば、カリナが帰ってくると思っていたのです。
失踪から後日
「まったくあいつは…!一体何を考えているんだ!!」
後日、父親は怒鳴りました。部下からの報告を聞いて、カリナが南部領を出たと知ったのです。
さらにカリナの痕跡は途中で途絶えたので、父親はなお心配します。そして内心では、わざと心配させるなんて親不孝者めが!とカリナを責めました。
また母親は、捜索人数を増やして早急にカリナを連れ戻すべきだと提案しますがーー父親はそれを却下します。父親はカリナのことを、分別のない子だと思ったのです。
「一体何が不満だったのだ?小遣いなら十分やったし、欲しいものも全部与えた!」
父親も母親も、カリナが家出をした理由に全く気付きませんでした。
9話後半|熱を出すカリナを、ミリアンが甲斐甲斐しく看病する
カリナは自室で目を覚ます
カリナが目を覚ますと、そこは与えられた自室のベッドの上。
しかも部屋の窓際を見れば、そこにはイスに腰掛けるミリアンがいました。
「閣下、どうしてここに…」
驚きのあまり、口をぽかんと開けるカリナ。
ミリアンに事情を聞くと、侍女を呼ぼうもまだ夜明け前だし、またカリナが気絶する直前に「医者を呼ばないで」と言っていたため、彼はこうして傍にいてくれそう。
カリナはその事実に、ただただ驚きます。しかしミリアンにとっては、病人の面倒を見るのも客人を守るのも当然の事なのです。
「そなたは客人で私はここの主だ。約束は守るから、少しは客人らしくしていろ」
その言葉を聞いたカリナは笑顔を浮かべます。なにせ今までは、自分が兄妹を看病することはあっても看病された経験が無かったのです。
「いいですね。辛い時に誰かが傍にいてくれるのは」
高熱で顔を汗まみれにしながらも、嬉しそうに話すカリナ。
その言葉を聞き、ミリアンは何となく彼女の事情を察しました。
というのも彼は、カリナの妹が病弱だと聞いたことがあったのです。基本的に病人がいる家は問題を抱えていることが多く、家族愛が深いほどに姉妹間の格差は広がるものですから。
そしてミリアンは、カリナのために薬を持って来ようとしますがーーその時、カリナに指先を掴まれたので頬を赤くしました。
10話|続・ミリアンの看病
医者を呼ばないで
ミリアンは医者を呼びに行こうとしますが、カリナは断固として拒否します。そのため彼は再び腰を下ろし、カリナはその後も体調不良に苦しみました。
寒気がして体は重いし、目の前は真っ暗。
けれどミリアンが手を繋いで傍にいてくれたので、カリナは安心して眠ることが出来ました。
ミリアンの本心
実のところ、ミリアンはレオポルド家(カリナの実家)に電報を打つつもりでした。
しかしカリナの様子を見て、せめて冬が終わってから連絡しようと考えます。
(彼女にもそれなりの言い分があるようだし、屋敷に頼れる人がいないと見える。3~4カ月の間くらい、彼女の味方になってやるのも悪くないだろう)
眠るカリナの横顔を見ながら、ミリアンはそう思いました。
1週間後、生活に変化が起きる
ようやくカリナの熱が下がり、1週間が過ぎたころ。彼女の生活に変化が出てきました。
少し歩いただけで息が上がるほど体が弱くなり、そのため毎日ミリアンが訪ねて来て、挨拶のようにおでこに手を当てるようになったのです。
けれどこのような状況にも関わらず、カリナは実家にいた時よりずっと幸せそうでした。
というのもミリアンは無愛想な印象とは裏腹に、とてもカリナを気遣ってくれたのです。その日も彼は、一緒に昼食を取ろうとカリナを誘ってくれました。
・・・
「そなたは絵を描くのが好きなのか?」
「はい…好きです」
廊下を歩いている最中、予想外の質問をされてカリナは戸惑います。絵が好きかなんて、家族さえも聞いてくれなかったのですから。
さらに彼は、屋根の上からいい景色が見れる時間帯も教えてくれます。
ただし服をきっちり着込んで休憩も1時間おきに取るよう小言を言い、またカリナに対して「干からびたスルメのようになりたくなければ言う事を聞け」とまで言います。
その言葉にカリナは困った顔をしますが、実はミリアンが小言を言うのには理由があったのです。
ミリアンの願い
ミリアン曰く、彼と婚約式を挙げたときのカリナはまるで無理やり連れて来られたような顔だったそう。
当時のことを思い出したミリアンは、顔に青筋を浮かべながら「それほど嫌ならはっきり言うべきだ」とカリナを叱ります。
そのため彼女は、ペコリと頭を下げて謝罪しますがーー
するとミリアンは困った顔で、カリナが謝る必要はないと言います。そして真っすぐに彼女を見つめながら告げました。
「そなたが不快に思う事があれば、遠慮なく嫌だと言って欲しい」
『余命わずかの脇役令嬢』のネタバレと感想
ネタバレ感想①鈍すぎる両親
9話ではレオポルド家の様子が描かれていましたが、相変わらず鈍い両親ですね。
あろうことか、カリナが失踪した理由を「自分の誕生日よりピクニックを優先したから」と勘違いしています。
いや、そんな訳ないでしょう。
なぜこの家族は、直前の出来事にしか目を向けないのか。なぜカリナ側の事情について考えないのか。管理人はそれが不思議です。
カリナの芸術病について知らないとしても、今までの仕打ちを考えれば自ずと答えは分かるはずなんですけどね。
ネタバレ感想②カリナの婚約式について
読者様はお察しかと思いますが、ミリアンとの婚約についてカリナに拒否権はありませんでした。
両親は「もう決まったことだから」と勝手に婚約を進めて、カリナの意見など一度も聞かなかったのです。
しかも最悪な事に、当日にアベリアが体調を崩したため両親2人とも婚約式に参加しませんでした。せめてどっちか片方は参加してあげて!