小説『再婚承認を要求します』の外伝61『もしラスタがナビエに送られたら(6)』のネタバレと感想です。
ソビエシュに好意を示し、積極的な行動に出るガリヌエラ。目立つドレスを着たり皇后のように振る舞ったりと、やりたい放題ですがーーその噂を聞いてしまったラスタは、彼女に敵意を示します。
この先どうなるのでしょうか?ストーリーを簡単にまとめました。
複雑な心境のまま、ナビエはベランダに避難するが…
ハインリと遭遇する
ハインリは欄干から手を離すと、意味ありげにナビエを見ながら聞きました。
「逃げるのは止めたのですか?」
ナビエは逃げた事などないと否定しますが、ハインリはなおも主張を変えません。そして彼女がしかめ面で立ち尽くしていると、彼はお辞儀をしました。
「ずっとお礼をしたかったのですが、避けられて言う暇がありませんでした。秘密を守ってくださり、ありがとうございます」
その言葉を聞いたナビエは、彼が不安だったのだと気づきます。なにせ自分の秘密を他人に知られたのですから。
そのためナビエは、人には言わないので心配しないでほしいと真剣な表情で約束します。すると彼は「信じていますよ」と言って笑いながら、恩返しがしたいと提案しますが・・・
ナビエは自分が溺れさせたのが原因だからと言って、その提案を断ります。そして会場内に戻ろうとしますが、まだソビエシュとガリヌエラが躍っていたので、ため息をついてベランダに残りました。
ソビエシュ視点
ソビエシュは踊りながら、ちらっとベランダを見ます。ベランダに行ったナビエが戻って来ないので、“金髪の毛の持ち主”と一緒にいるのでは…と不安になったのです。
そして音楽が終わる頃。ナビエはようやく戻って来るも、その後からハインリが出てくるではありませんか。
そのためソビエシュは『まさかナビエは、あんな軽い男と付き合ったのか?』とショックを受けました。
おまけにナビエの方を見ると、彼女はこちらを見て眉をひそめています。まるで彼とガリヌエラがくっついているのが不快だというように。
それを見たソビエシュはわざと表情を整え、ダンスがお上手ですねとガリヌエラに優しく囁きますが・・・
「陛下が2人の女性を一度に相手にする方だとは知りませんでした」
彼女の辛辣な言葉に、ソビエシュは驚きます。
さらに彼女は、今は私にだけ集中してくださいと言います。そして2人の目があうと、彼女は自身に満ちた顔で告げました。
「一生の愛を一日で終えるのも、ロマンチックでしょう?」
ラスタ視点|ガリヌエラの噂を聞いて激怒する
ラスタの報復
南宮が人手不足だという話を聞くや否や、ラスタはすぐに志願しました。そして部屋の片づけ役を任されますがーーしかしラスタは、南宮で仕事をするつもりは全くありません。
ラスタはガリヌエラの部屋を見つけると、部屋に入って中を荒らしてしまったのです。
「忌々しい…」
ひとり呟くラスタ。本心を言えば、ソビエシュの部屋もこうしてやりたいと思っていました。そしてラスタは宮殿を追い出され、ナビエと離れ離れになるでしょう。
しかし絶対に見過ごせないので、ラスタは歯ぎしりをして部屋の中を荒らしました。
・・・
夜が明けて部屋に帰ってきたガリヌエラは、その惨状を見て怒ります。そして部屋を出て行こうとしたラスタを問い詰めますが・・・
しかしその瞬間。
「ごめんなさい!」
ラスタは見えない手の平に叩かれたように、その場に倒れました。
「片付けようとしましたが、部屋の中が最初からゴミ箱のようだったのです。お嬢様が部屋を汚すのは、ラスタのせいではありません」
ただでさえ弱そうなラスタが床に伏せたまま激しく謝るので、ガリヌエラは慌てます。
さらに通りすがりの人々に白い目で見られるので、ガリヌエラは一層苛立ちます。しかし彼女は、怒りを抑えて対応しました。
「私がこのメイドをいじめたと言う人は、私の部屋を一度見てください。そうすれば、このメイドがどれだけずる賢いのかわかるでしょう」
するとその時、人込みの中にいたイエミル伯爵が近づいて来て「彼女はそのような人ではありませんよ」とラスタを庇います。そしてラスタを抱き起すと、彼女をつれてその場を去りました。
イエミル伯爵の忠告
現場から少し離れると、イエミル伯爵はラスタに忠告しました。
彼によれば、ガリヌエラの兄・クランティア侯爵は性格が悪いそう。つまり彼女と敵対すると、侯爵がどう出るのかわからないのです。
イエミル伯爵はそのことを伝えると、ハインリが泊まっている部屋の近くまでラスタを送ってやります。すると偶然にも廊下でハインリと会ったので、彼にラスタを預けました。
イエミル伯爵が去った後。
ラスタは心臓をドキドキさせながらハインリを見ます。しかし意外にも、彼は笑っていました。
「君はいつから私のメイドになったんだ?」
ハインリは皮肉を言いながらも、今回は見逃してやると言います。そしてラスタを西宮まで送ると言いながら、彼女にひとつ頼みごとをしました。
「皇后陛下に会ったら、私が親切に、とても親切にしてくれたと言ってくれ」
パーティーが終わった後も、噂は流れ続ける
噂のせいでナビエは苦しむ
初日のパーティーが終わった後も、人々の噂話は消えませんでした。ソビエシュとガリヌエラが親密な仲だと、宮殿では噂が流れているのです。
その結果、ナビエはたまりかねて1人で西宮を出ますがーーー
途中でラスタとハインリに遭遇します。仲が悪いのに、なぜ一緒に来るんだろう…と2人を交互に眺めていると、2人は同時に口を開きました。
「南宮で会いました」
「来る途中で会いました」
答えが食い違い、お互いを睨み合う2人。その姿がとても可愛くて、ナビエは大体わかったと答えて違う場所へと移動しますが・・・
なぜかハインリは、距離を開けながら付いて来ます。振り向いて聞いたところ、ナビエが憂鬱そうなので心配しているそう。
けれどナビエは1人になりたいので、その事をキッパリと告げます。
すると彼はためらってから金色の鳥に変身し、スタスタと歩いてきて彼女をじっと見上げました。この姿ならどう?大丈夫?と聞くように。
『再婚承認を要求します』外伝61のネタバレと感想
感想①ラスタがガリヌエラを罰するかも?
ラスタは現状、ナビエを崇拝しています。多分、ナビエに危害を加える人は誰であれ許せないのでしょう。
そのためラスタは、ガリヌエラとソビエシュにひどく苛立っています。その結果ガリヌエラの部屋を荒らし、さらに悪者に仕立て上げるという嫌がらせをしました。
『再婚承認を要求します』では他人の家庭に入り込む女性がことごとく罰を受けますが、この様子だとラスタがガリヌエラを罰するのかもしれません。宮殿での噂が消えない限り、ラスタはまた暴走して嫌がらせをするでしょうから。
感想②ラスタ、これじゃ本編の二の舞だよ
ラスタの行動の根本には「ナビエのため」という大義名分があります。良くも悪くも、純粋な性格なのでしょう。
でもこれって、結局は自己満足です。ナビエのためと言いながら、自分が許せないから嫌がらせしているだけ。つまり人のために行動しているようで自分本位なんですよ。
管理人は外伝でくらいラスタにも幸せになってほしいと思っていますが、この身勝手さを直さない限り、ラスタは幸せになれない気がします。また不幸のどん底に落ちるのは可哀想なので、何とか軌道修正できれば良いのですが・・・
感想③ナビエにとって危険な状況
そもそもこの状況、下手をすればナビエが被害を被ります。例えば誰かが「皇后はガリヌエラが気に入らないので、メイドを使って嫌がらせさせた」とか言いふらす可能性も考えられますから。
その結果ナビエの立場が悪くなり、結局は離婚…なんて状況になったら悲惨すぎて目も当てられませんよ。管理人はハッピーエンドが好きなので、何とかそっちに持ち直してほしいのですが・・・この状況だと難しいのかもしれません。
更新ありがとうございます。
今回も、ナビエ愛に溢れたラスタの暴走が面白くて楽しめました。
ラスタとハインリの答えが違うのに、ナビエが『大体分かった。』と察するシーン。
吹きました。三人共可愛らしいし、ラスタとハインリの【ナビエが好き!が過ぎる】感じがほっこりしました。
しかし管理人様が心配されるように、ナビエにとって悪く作用しそうですね。
ラスタは後先考えないで行動するので、たとえそれがラスタなりの正義であり『善は急げ!』であったとしても、あまりにも短絡的です。
ナビエは自分を慕うあまりのラスタの愚行に対して、見捨てる事なく責任を持ちそうですし。
ソビエシュ、ヤキモチ妬かせたかったのでしょうけど、そのプライドの高さをどうにかしなさい!
ハインリほどじゃなくてもいいけど素直さが大事!
>とんすけさん
コメントありがとうございます。私も「大体わかった」のシーンで笑いました!
そしてソビエシュ、もっと素直になればいいんですけどね。本当におっしゃる通りで、あのプライドの高さをどうにかしない限りまた夫婦仲が壊れそうな気がします。