『再婚承認を要求します』のネタバレ感想です。今回は小説版に掲載されていた「外伝9 エルギ公爵の過去(3)」の概要をまとめました。
前回のラストで、とんでもない台詞を告げたアレイシア。そして今回の外伝9では、再びナビエ視点に戻ります。ルイフト皇后(イモナ)との会食後、ナビエが悩む場面からスタートします。
以下、管理人の感想を交えてストーリーを簡単にまとめました。
『再婚承認を要求します』外伝9~前半~
ナビエは交易問題に悩む
イモナと話した後、ナビエは複雑な心境になります。
カフメン大公は元々、交易相手国を探すために奔走していた人。そんな中、ナビエは最初から協力的だったので独占交易権を与えられました。
けれど今後、義理と実益のどちらを取るかで彼は悩むでしょう。
そう考えていると、途中でベンチに座るカフメン大公を見つけます。そして世間話をした後で、ナビエが彼の隣に座るとーー
彼は「シャレット姫にプロポーズしました」と暴露しました。
シャレット姫はホワイトモンドの王女。コシャールと政略結婚する予定でしたが破談になり、またカフメン大公が自分を好きだと勘違いしています。
カフメンの結婚相手はシャレット姫
カフメン大公の重大発表に、ナビエは驚愕します。結婚相手がシャレット姫だなんて、誰が予想できたでしょうか。
そもそも彼は、今まで結婚のことで顔を曇らせていました。そのためナビエは内心で「この結婚には事情があるのでは?」と考えます。
すると彼は何かを言いかけるも、結局「私が望んだ結婚です」とだけ答えました。
イモナへの結婚報告
その後、カフメン大公はイモナにも同様の報告をします。またこの時、姫の縁談を壊した過去についても説明しました。
そして全てを説明した上で「まだ結婚を公式発表していません。ただ、この状況下でルイフトと東大陸連合が交易を始めれば、熱帯陸での私の立場は妙なことになるでしょう」と続けます。
さらに彼は「もし私がシャレット姫と結婚すれば、西大帝国の独寡占を防げます」と告げて、部屋を退出しようとしますが…
するとイモナは、急にカフメン大公をからかいます。そして微笑を浮かべて告げました。
「好きな人は、シャレット姫なの?」と。
『再婚承認を要求します』外伝9~後半~
エンジェルの敗北宣言
一晩中考えた結果。ナビエは交易問題を解決するために、”エンジェルを脅す”という物騒な結論を出します。
しかし夜明け頃、ナビエの部屋にエンジェルが訪れます。こんな時間に何事かと警戒するも、彼はいつもより華やかに笑って「今回もナビエ様の勝利ですね」と告げました。
・・・
エンジェルが去った後、ナビエは彼の真意がわからずに悩みます。
(勝利とは何のこと?もしかして、カフメン大公が何かしたの…?)
事実を確かめるため、急いで彼の屋敷へと向かいました。
明け方にも関わらず、カフメン大公は快くナビエを応接間へと通します。すると彼女は、要件を率直に伝えました。
「イモナの心変わりは、あなたと関係があるのですか?」
すると彼はぎこちない声で、自身に有利な方向を選択しただけだと答えますが…
それでもナビエは、彼に気苦労をかけないよう「私にも策はあるから、あなたが何かしても無駄骨ですよ」と答えました。こう言えば、彼はいざとなったら手を引くでしょうから。
カフメン大公の本心
ナビエが去った後、一人で苦々しく笑うカフメン大公。
彼は今もなおナビエが愛おしく、同時に「自分の気持ちをもっと早くに自覚していれば…」と考えてしまいます。
しかし窓の外から、ハインリは今頃どうしているかしら…とナビエの心の声が聞こえたせいで、なおさら胸を痛めました。
西大帝国のとある1日
よく晴れた日。
母親と一緒にピクニックに来ていた幼女は、空を指さして「鷲がスズメに追われてる!」と叫びました。なんと金色の鷲が、小さな青い鳥に追われていたのです。
その正体は、西大帝国の皇帝と側近。しかし、母娘がそれを知る術はありませんでした。
【ネタバレ感想】カフメン大公の結婚事情
シャレット姫は騙されたまま
カフメン大公がプロポーズした相手は、なんとシャレット姫でした。
読者にとっては既知の事実ですが、ナビエ視点だと相当驚いたでしょう。なにせ相手は、コシャールの元婚約者ですから。顔が合わせにくい相手です。
シャレット姫は結局、カフメン大公に騙されたままですね。
偽りの愛の告白を信じて、カフメン大公は自分を好きなのだと誤解して。嘘に気付かない限りは幸せかもしれませんが、もし事実を知ればこの上なく傷つくでしょう。
そしてカフメン大公もまた、一生罪悪感を抱え続けていくワケですが…
いくらナビエのためとはいえ、ここまでする必要があったのでしょうか?彼のおかげで表面上は丸く収まったけれど、後味が悪い気がします。
カフメン大公は報われるのか?
そもそもカフメン大公自身、辛いはずなんですよ。
本心では結婚を望んでいないのが丸わかりですし、遭難したときも彼の表情は曇ったまま。また外伝9の原文でも、まだナビエのことを愛しく思っている記述がありました。
こんな状態で結婚して、本当に大丈夫なのでしょうか。いつか彼が、シャレット姫を心から好きになれる日が訪れるといいですね。
【小ネタ】西大帝国でお馴染みの光景
鳥の追いかけっこ
外伝9のラストでは、鳥に変身したハインリがマッケナに追いかけられていました。
幼女はこの光景を見て、鷲がスズメに追いかけられるという勘違いをします。かわいいですね。
そして本編でも、今回と似たようなシーンがありました。
本編183話によれば、鳥に変身して家出したハインリが、同じく鳥に変身した先王に追いかけられて連れ戻される…という事件(?)があったそう。
なお、それを見ていた宮殿の人たち(鳥の正体を知らない)は、鳥も家庭教育をするのかと笑っていたのだとか。
もしかすると、西大帝国では度々このような光景が目撃されているのかもしれませんね。