『接近不可レディー』の51話~52話について、ストーリーの概要とネタバレ感想をまとめました。
前回のラストで、ヒリスたちは『王と四大家門の絵』を見に行きます。この絵からは異能の気配がするのでヒリスは試しに触れようとしますが、心配したアクシオンに止められてしまいます。
この後、2人はどうなるのでしょうか?続きを読んでみましょう。
51話|ヒリスが『王と四大家門の絵』に触れると異変が起きる
ヒリスが絵に触れた結果
結局のところ、ヒリスとアクシオンは2人同時に絵に触れます。
すると心臓が描かれた部分がパアッと光を放ち、そこから赤い宝石がこぼれ落ちました。
不思議に思ったアクシオンは、怪訝な顔をしながらその宝石に触れようとしますが・・・
その時、アクシオンの脳裏に妙な光景ーーヒリスのような女性が何かを呟いているシーンーーが思い浮かび彼は手を止めます。
しかしヒリスは何ともないようで、その宝石を拾いあげてまじまじと見つめます。
「さっき絵で感じたのと同じ気配ね」
そして困ったことに、宝石が出現したことで元々の絵画が真っ白になってしまいます。
さらに上の階から「1階から音がした!不法侵入者だ!」と見張り役の声がしたため、2人はアメリエ邸から脱出しました。
アメリエ邸を脱出した後
イノアデン邸の門前に転移すると、アクシオンはヒリスに質問しました。
「さっきアメリエ邸で俺が見たものは一体何だったんだ?宝石を触った時、ある場面が思い浮かんだが、君は見なかったのか?」
しかしヒリスは何も見ていないと言います。そして望むならもう一度確認すればいいと、アクシオンに宝石を差し出しますが・・・
彼が宝石に触れても、今度は何も起こりません。
(さっきのような幻想は見えない。だが、この不気味な感じは何だ?一時的な現象だったのだろうか)
そして彼は眉をひそめると、先に帰ると言って逃げるように姿を消しました。
あの鏡はいったい何だったのか?
翌日、ヒリスがいろいろ調べたところ興味深い文献が見つかります。
というのも地上最後の王は、望んだ場所・必要な場所・行くべき場所にすぐ移動する道具を持っていると書かれていたのです。
ヒリスはこれを昨日見た『鏡』のことだと推理し、再び『赤い寝室』に行きました。
(あの内容のように、鏡があえて私を絵がある場所に導いたなら…今回も私が望む場所に案内する可能性が高い)
そしてヒリスはもう一度鏡の中に入るとーーー
目の前にいたのは、シャツをはだけさせて胸元を露わにしたアクシオン。どうやらここは彼の寝室のようです。
「イノアデン当主…?君がなぜここに…?」
微妙な顔で尋ねるアクシオン。
ヒリスは一瞬ポカンとするも、すぐさま顔を真っ赤にしてその場から去ろうとします。しかしアクシオンが彼女の腕をつかんで引き止めるので逃げられず、おまけに彼は半裸のまま質問しました。
「どうして俺の部屋に現れた?まさか、また鏡を使ったのか?」
ヒリスが何も答えないので、アクシオンは大体の事情を察します。そしてヒリスの腕を放すと、服装を整えながら注意しました。
「正気か?危険な場所に繋がる可能性もあるのに、むやみに使う気か?」
すると冷静さを取り戻したヒリスは、無表情で答えます。
「確かに規則性が分からないわね。アメリエ邸に続き、次はあなたの寝室なんて…」
一体あの鏡はどんな仕組みなのか、2人は頭を悩ませます。
するとその時アクシオンは何かに気付いたらしく、もしかして…!と目を見開きました。
52話|アクシオンは『黄金色の槍』をヒリスに見せる
黄金色の槍とは?
ベルゼット家の一室には『黄金色の槍』が保管されています。これは数世代前に東部で発見され、ベルゼット家で保管することになった異能が宿りし遺物。
ヒリスが鏡によってベルゼット家へと導かれたのなら、恐らくこの槍が理由でしょう。
そう考えたアクシオンは槍の保管場所へとヒリスを連れて行きますがーーー行動とは裏腹に、彼は浮かない顔で言いました。
「…実のところ、君がこのような危険な行動をするのは気に入らない。でも俺が止めても辞めそうにないから、一緒に確認した方がいいだろう」
するとヒリスは勝手にしてと言い放ち、黄金色の槍に触れました。
槍に触れると宝石が出現する
ヒリスが触れると、黄金色の槍は砕け散って中から赤い宝石――アメリエ邸で見たのと同じもの――が現れます。
そして同時に、彼女の脳内に『誰かの記憶』が再生されました。
- 赤い長髪の女性(?)が泣きながら黄金色の槍を構え、その切っ先を最後の王に向けている
- 王は無表情で抵抗もせず、女性をただ見つめている。
見たことのない映像に驚き、ヒリスは宝石を落とします。そして冷や汗をたらしながら、今見たものは何だったのかと考えますがーーー
その時、アクシオンが床に落ちた宝石を拾ってしまいます。そして次の瞬間、彼は一体何を思い出したのか。信じられない言葉を発しました。
「やはり気味だったのか」
その言葉に驚くヒリス。すると彼は宝石をギュッと握りしめながら、どこか悲しげな表情で続けます。
「俺が忘れたもの。俺が失ったもの。そして見つけるべきだったもの。全て君だったんだ」
ヒリスは必死の形相で、何も思い出さないで…と彼の腕にすがります。するとアクシオンは彼女の手を受け入れながらも、はっきりと告げました。
「もう遅い」
ヒリスの5回目の人生(後編)
忘れもしない五回目の人生。ヒリスはアクシオンの腕に抱かれ、隠し部屋から救出されました。
なおその際にディエゴは「今すぐ私の娘を降ろせ!」と怒鳴るも、アクシオンの部下が暴力で黙らせます。
またリカルドは、何の権限があってこんな事をするんだ!と食って掛かりますが、アクシオンが正論を突き付けるとすぐに黙りました。
そしてアクシオンは、異能を使ってイノアデンの屋敷を去ろうとしますがーーーその瞬間、腕の中にいるヒリスが酷く怯えます。異能の気配を感じ取り、乱暴されると思ったのです。
だからアクシオンは、優しい口調でヒリスに語りかけます。
「安心しろ大丈夫だ。傷つけはしないから」
その言葉になぜかヒリスは安堵します。彼が誰かも分からないのに、なぜか暖かみを感じるのです。
こうしてヒリスは、彼と共にイノアデン邸から脱出するのでした。
『接近不可レディー』今回のおさらいとネタバレ感想
51話のネタバレ感想|鏡がチートアイテムな件
ヒリスが調べた文献によると、あの鏡は王様が使っていた特別なアイテムのようです。
触れた人間を望んだ場所や必要な場所に連れて行ってくれるという便利な鏡。つまり、どこでもドアの進化版みたいな物ですね。
そしてヒリスが再び鏡を使った結果、辿りついたのはアクシオンの寝室。
という事は、彼のいるベルゼット邸に必要なものあるのか。それともアクシオン本人がヒリスに必要な存在なのか。はたまたヒリスが心の底で、彼を望んでいるのか・・・
いろいろ解釈ができますね。個人的には最後の解釈が好きですが、いったいどれが正解なのでしょうか。
52話のネタバレ感想
ヒリスは赤い宝石に触れた時、恐らくご先祖様(=初代イノアデン)の記憶を見ていたのかなと思います。
ご先祖様は何らかの理由により、泣く泣く王を手にかけたようです。ただしなぜそんな事をしたのか、その理由は一切が不明。ご先祖様と王の間にいったい何があったのか、それは今後明らかになるのでしょう。
そして一方。
アクシオンも赤い宝石に触れますが、彼は別のものを見た(?)ようです。彼が思い出したのは、ヒリスが回帰する前の出来事―――つまり消えたはずの記憶です。
そしてアクシオンは、自分が今まで探していた女性がヒリスだったと気付きます。
2人の会話を聞くに、前世で何かあったのでしょうね。大事な約束でもしたのでしょうか。