マンガ『死して生きるSSS級ハンター』の58話について、ストーリーの概要を紹介します。また記事の後半には、ネタバレ感想もまとめました。
前回のラストでは、女性と老人がすでにゾンビに噛まれている…という悲惨な事実が発覚しました。なぜ2人は、こうまでして戦い続けるのでしょうか?
管理人の感想を交えつつ、続きを簡単にまとめました。
目次
【回想】遠い昔、天魔と部下がかわした会話
天魔の記憶

まだ他の人間が生きていた頃。数人の部下たちが天魔に告げる。
「ダメです。血鬼隊の半分がやられました。元老たちもすでに行方知れずです」
いまや政派と争っている場合ではなく、天下の危機かもしれません。部下たちは天魔にそう報告した。
それから間もなくして、部下たちは告げる。
「天魔様、仰せのとおり門派を問わず薬房を立てました。早々に成果が出るでしょう」
しかし成果は得られず、部下の人数は減るばかり。そして負傷した部下は言った。
「天魔様、月影魔君と血馬までやられました。今日100人のキョンシーを倒しても、明日1000人のキョンシーが生まれます。奇病に耐えられません」
そしてある日、1人だけ生き残った部下が言った。
「天魔様、落島にお逃げください。いくらキョンシー病とはいえ、海を渡ることはできません」
盟主と交わした誓いは忘れて、安全なところに逃げて欲しい。それが部下の願いだった。
【孔子視点①】女性と老人が、今もなお戦い続ける理由
2人はなぜ、この状況に耐えられるのか?
「…今までどうやって耐えたのですか?」
孔子が質問すると、着物の女性と老人は顔を見合わせる。そして「ついて来なさい」と言って、孔子を洞窟の外へと連れ出した。
女性は昔話をする
洞窟の外には、青空が広がっていた。
女性と老人がどこかに向って歩き出したので、孔子もその後をついて行く。すると途中、女性はふと昔話をしはじめた。
・・・
昔、とても強い達人が1人いた。彼はどんな毒にも蝕まれず、どんな剣で攻撃しても傷つかない。無敵だった。
しかし彼は『色魔』に惑わされて亡くなった。


色魔は少しずつ彼に快楽を与え、巧みにじっくりと時間をかける。その結果、達人は色魔に溺れて快楽を貪るようになる。
そして最後の瞬間、色魔がかるく達人の首を絞めるとーー彼は笑いながら亡くなったそうだ。文字通り、絶頂に包まれて命を落としたのである。
つまり武術の達人だろうと、いつかは死ぬのだ。
滅びるならライバルの手で
昔話を終える頃、3人はゾンビたちの群れがいる場所――ただし日が出ているためゾンビたちは活動停止しているーーに辿りつく。
すると着物の女性は、今度は武人の生き方について語った。武人になるなら、自分がどう生きてどう死ぬのか決めなければならない…と。
そして彼女たちは、疫病で滅ぶような最後は望んでいないと告げる。
暗殺されても毒殺されても構わないし、信じていた部下に裏切られて命を落としたって別に良い。しかし、このような死だけは許せないのだ。
「どうやって耐えるかと聞いたな。私たちはただ、思うがままに死にたいだけだ」
自分達はゾンビなんかに滅ぼされない。もし滅びる時が来るなら、それはライバルの手によってもたらされるべき。少なくとも2人はそう考えているらしい。
そして女性と老人は向き合って礼をすると、互いに名乗りを上げる。
「無林盟主、太上家主南宮雲、浮月線だ」
「魔教、天魔だ」
名乗り終えると、2人はいつものようにケンカをしはじめた。


【孔子視点②】このままではダメだと、孔子は決意する
不合理な争い
ゾンビ化した世界で、2人は世界の死因を決めるために戦い続ける。
孔子はその様子を見ながら、辛そうに呟いた。
「こんな…このままじゃダメだ。不合理だよ。剣帝の目にはあれがスゴイ戦いに映っているのかもしれないけど、これは2人に対する侮辱だ」
『何をどうするんだ?お前が天魔を殺し、無林盟主も殺すのか?だが俺もお前も、異邦人に過ぎないという事実を忘れるな』
部外者が口出しするなと、剣帝はたしなめる。しかし、それは孔子も理解していた。無林盟主も天魔も、相手の手にかかって滅びることを望んでいるのだから。
そのため孔子は、自分だけの方法でこの世界を救おうと考えた。
未来の錬金省主に、願いをかける
日が暮れて洞窟に戻った後。孔子は薬剤師たちの元に行き、ゾンビウイルスの研究結果について質問するがーー
薬剤師によれば、治療薬を作るには短くても100日かかるらしい。そもそも設備が整っていないので、薬を作れない可能性もある。
この世界が崩壊するまであと10日。制限時間内に治療薬を開発するのは、どうしたって不可能なのだ。


そのため薬剤師は申し訳なさそうに謝るが、孔子はにこりと微笑んで言った。
「いいえ、それで十分です。心配しないでください。時間の問題はオレが解決しますから、諦めずに研究し続けてください」
傍から見れば、このステージのクリアは絶望的だ。しかし孔子は諦めていないらしく、薬剤師に手を差し出す。
「時間制限があるからステージをクリアできないとか、永遠にこの黙示録に閉じ込められるとか。そんなつまらない考えは全部捨ててください。私も最善を尽くすので、あなたも最善を見せてください」
すると薬剤師も、真っすぐに孔子を見つめながら彼の手を握り返した。
【考察】死して生きるSSS級ハンター58話のネタバレと感想
58話のおさらい|薬の開発まで100日かかるらしい

『天魔実録』の世界が滅びるまで、あと10日。崩壊を防ぐには、ゾンビウイルスの治療薬を作らなければなりません。
しかし薬剤師の調査結果によれば、治療薬が完成するまでに少なくとも100日かかるそう。
普通に考えれば無理ゲーですね。絶望的な状況です。そして世界を救えなかった場合、孔子たちは黙示録の世界に閉じ込められるワケですが・・・
孔子はこの状況下で、まだ諦めていません。58話のラストでは薬剤師に対して「時間的な問題はオレが解決してみせます」と力説していました。
58話のネタバレ感想|またループ人生が始まるのか?
時間制限があるのに、なぜ孔子は自信満々なのか?
いろいろ考察してみたのですが、孔子は多分、またループ生活を送る気なのでしょう。つまり回帰する度に、薬剤師の研究結果を持ち帰るワケですね。
情報が増えれば、それだけ研究も進むでしょうから。1週目のループでは全体の1割しか研究が進まなかったとしても、その情報を2週目に持ち越せば研究がもっと進むはず。
時間的な問題を解決するには、これしか方法がない気がします。
ただしこの方法だと魔王戦の時のような鬱展開になりそうなので、今から気が重いです。薬剤師、孔子を助けてあげて…!