漫画『セイレン〜悪党と契約家族になった〜』の17話~18話のネタバレと感想です。
バレンタイン大公子のおかげで、少しだけ心のつかえが取れたアリア。食事も食べれるようになり、自分の意思がハッキリしてきましたね。
とはいえ問題はまだまだ山積み。この先どうなるのでしょうか?
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目次
17話|アカデミーからロイドと弟が帰還する
ロイドが屋敷に帰還する

アカデミーから帰ってきたロイドは、バレンタインの敷地内を歩きます。するとその途中、金髪の少年ーー弟のヴィンセントを見つけて声をかけました。
「お前も帰って来たのか」
「当たり前ですよ。アカデミーが休みなんだから」
そして2人は並んで歩くも、なぜか周囲が慌ただしいことに気付きます。そこで使用人に事情を聞くと、新しい建物を建てるらしくその準備に忙しいそう。
そこで建物の設計図を見せるように言うとーーー
設計に図に書かれていたのは巨大な遊園地。バレンタイン大公子の命令により、アリアのために遊び場を作っているそうです。


しかしアリアがまだ屋敷にいると知ったロイドは、急に不機嫌になります。
「あの子が死んでも関係ないと言うことか…」
ロイドは父親の行動をよく思っていない様子。そして弟にどうするのですか?と聞かれるとーーー
「もし本当に狂ってしまったのなら、息子として永遠に安らかに眠れるようにしてあげないとな」
とんでもないセリフを口にするのでした。
眠るアリアを発見する
ロイドは歩いている途中、急に足を止めます。木陰でスヤスヤと気持ちよさそうに眠るアリアを見つけ、その光景をじっと見つました。
しかもアリアの周囲には熊・リス・鹿など色々な動物が集まっているため、ヴィンセントはとても驚きます。
(生態系談混乱。感覚がずば抜けているのか?やはり伝説と言われる種族のセイレンだ。主人にしか懐かない猛獣とも戯れている。悪名高い悪魔大公とまで仲良くなるだなんてただ者じゃないな)
そして次は誰と親しくなるのだろうか…と、隣の兄をちらりと見るのでした。
『治癒の歌』を習得すべく体力づくりに励む
アリアはここ最近、きちんと食事をするようになったのでお腹にはじめて肉が付きました。靴ももうずり落ちません。
しかし『治癒の歌』を歌うにはまだ足りません。これはどんな病でも治せる歌で、アリアが前世で最も歌った歌。
そして『破滅の歌』。相手の体や精神を完全に破壊するこの歌も、まだ歌うことができません。
(この2つは14歳の時にやっと歌えたんだっけ…でもどうにかしてその時期を早めないと)
4年後だとすでに『バレンタイン事変』が起こった後なので、その前に何とかして歌えるようにする必要があります。
そしてアリアは体力をつけるべく、食事をもっと食べたいと使用人にお願いするのでした。
アリアとヴィンセントの出会い
その日アリアは、ダナから思いがけない提案をされました。
「公子様が昨日アカデミーから戻られたのでご案内しましょうか?」
しかしアリアはぶんぶんと首を振り、逃げるように部屋を飛び出しました。というのもロイドに会えば、屋敷を追い出されると思ったのです。
・・・
(はぁ…今ロイドに会うのは良くないよ。怖いんだもん…)
図書館に逃げて来たアリアはため息をつきます。そして人気のないこの場所なら、歌の練習にベストだと考えますがーーー
その時、たまたまヴィンセントと鉢合わせます。すると彼は輝くような笑みを浮かべてアリアに挨拶をしました。
「こんにちは、兄嫁様」
18話|世紀の天才ヴィンセント・バレンタインと初対面する
ヴィンセント・バレンタインとは?
ヴィンセント・バレンタインは前世にて『世紀の天才』と呼ばれた人。
彼はバレンタイン大公の従弟(いとこ)でありながら、天才だと認められて大公の養子として受け入れられたのです。
ヴィンセントはまさに逆転人生の象徴。しかしバレンタイン事変以前に、彼は領地から追い出されてしまいます。
その結果、社交界はヴィンセントの噂で持ちきりになり、二重スパイだと噂されます。さらに彼は酒と薬におぼれてドブネズミの手下となり、悲惨な人生を過ごしながら命を落としました。
そのため彼は『悲運の天才』とも呼ばれていたのです。
(バレンタインで二重スパイをするくらい度胸があるのなら…ドブネズミの側近レベルのはずだけど、堕落には全然耐性が無さそうね)
アリアがそんなことを考えていると、彼はアリアがたまたま持っていた本を見て、彼女が認識論に興味があるのだと勘違いします。
そのことが嬉しかったのか、初対面にも関わらず認識論や存在論についてペラペラ話しますがーーー
アリアがその内容を全く理解していないことに気付くと、急に態度が一変してアリアを嘲笑しました。
「ははっ、僕は天才であるおかげで今まで生き延びていられるからか…バカなのは見ていられないんですよ」
その様子を見て、アリアは気づきます。ああ、この子は生意気だから追い出されたんだ…と。
練習の邪魔をされ、ついにアリアはキレる
それ以来、図書館でヴィンセントと遭遇する機会が増えました。そのせいで歌の練習ができず、しかも彼は嫌味たらしいのでアリアは苛立ちます。
(無視するのは別にいい。教育を受けていないのは事実だから。でも歌の練習を邪魔するのは許せない)
アリアは1日も早く歌を習得して、早く大公婦人を救わなければならないのです。


その日も図書館にはヴィンセントがいたので、アリアは別の場所で歌を練習しようと踵を返しますがーー-
なぜか彼はアリアを引き止めて、いつものように笑顔で嫌味を言います。
「あなたの祖父であるマエストロ・コルテーズはもう二度と現れないだろう天才音楽家であり数学者でしたよね。24個の音を完璧な規則を適用して作曲されましたから。もしかしてそれも知らないんですか?」
その言葉に、とうとう堪忍袋の緒が切れたアリア。
手元にあった本を彼に投げつけると、図書館に設置されたピアノ(しかも神聖帝国の職人が作った芸術品)の前に座ります。
そのためヴィンセントは焦ってアリアを止めますがーーー
次の瞬間、アリアは美しい音色を奏でました。
アリアの反撃
アリアの演奏を聞き、ヴィンセントは思わず聞き入ってしまいます。
そして一方、アリアは演奏を終えて立ち上がると「もう消えて」と彼に言い放つのでした。
・・・
図書館を追い出されたヴィンセントは、冷や汗をたらしながら廊下を歩きます。しかし同時に、自分の予想が当たっていたことを喜びました。
(追い出された…すごく怒っている見たいだけど…まあとにかく予想は当たってた。生態系のかく乱者)
彼はアリアがずば抜けた天才であることを見抜いていたのです。
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『セイレン〜悪党と契約家族になった〜』のネタバレと感想
17話のネタバレと感想|ロイドの意味深なセリフについて

17話の冒頭にて、ロイドが意味深なセリフを言っていましたね。以下のシーンです。
「あの子が死んでも関係ないと言うことか…」
引用元:『セイレン〜悪党と契約家族になった〜』17話
まるでバレンタイン邸にいれば、アリアが命を落とすかのような言葉。となるとこの屋敷には、アリアの知らない何かが隠されているのかもしれません。
確かにアリアは周囲に比べて貧弱ですが、それだけならここまで警戒しないと思うのです。
今までのロイドの台詞を考えるなら、バレンタイン家を狙う暗殺者が屋敷に入り込んでいる可能性もありますね。もしくは今後、大事件が起こる可能性があるのかーー-
どっちみち物騒なことに変わりありません。
さらにロイドは、自分の父親に対して「狂ってしまったなら引導を渡さねば」という旨のセリフも言っています。
相変わらず物騒ですが、裏を返せばバレンタイン家の力が強すぎるがゆえに正しく統治しなければならないという事でしょう。
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