漫画『セイレン〜悪党と契約家族になった〜』の11話~12話のネタバレと感想です。
前回はダナに引き続き、ロイドまでアリアの過去を垣間見てしまいました。そして同情したのか、彼もまたアリアを気遣うようになります。
着々とバレンタイン邸の人々と距離が縮まっていきますが、この先どうなるのでしょうか?
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目次
11話|アリアのもとに6人の臨時騎士が派遣される
アリアと6人の騎士

風邪をひいてしまったアリア。
侍女たちは甲斐甲斐しくアリアの世話をし、さらに部屋にいろいろな種類の花を運んでくれます。窓辺で花を見物していたらまた風邪に引くかもしれないので、せめて部屋の中で花を観賞してもらおう…という気遣いでした。
アリアは色とりどりの花を見て喜びます。
するとその時ちょうど、6人の騎士たちが部屋に入って来ました。彼らは今日から、アリアを臨時で護衛する騎士だと言います。
(私1人に6人の騎士なんて、やっぱり大公国ね)
しかしよく見ると騎士の1人がやけに不満そうな顔をしていたので、アリアは彼が気になりじっと見つめますがーーーその時、小さなくしゃみをします。
すると侍女たちはなぜか顔を真っ青にして大慌て。花によるアレルギーや感染の可能性があるかもしれないと言い、すぐに部屋中の花を片付けました。
しかしアリアは部屋いっぱいの花を気に入っていたので、残念に思いました。
バレンタイン領の特徴
部屋が片付いた後、侍女・ダナは申し訳なさそうに謝罪します。
「大変なことになるところでした。私も境界外の方のお世話は初めてなので間違えましたね」
『境界外』とはバレンタイン領地の外の世界のこと。バレンタインは山脈に囲まれており、この国の出身者は動物も人もみんな外の人より健康で丈夫なのです。
つまりバレンタインの国民からすれば、アリアはとても弱い存在。
そのため侍女たちは、アリアがくしゃみをしただけで大慌てしたのです。
そしてこの出来事があって以来、侍女たちの過保護はエスカレートします。生姜湯ですら、ピリッとした味がアリアを傷つけるかもしれない…と言って飲ませないのです。
なおダナ曰く「外の人たちは弱く、お嬢様はその中でも特に弱い方よ。ここの基準でいえば赤ん坊くらいだと思って」との事。
それを聞いたアリアは赤ちゃんじゃないのに…と困る反面、大切にされることを心地よく感じていました。
嫌味な騎士
しかしその時、嫌味たらしい男の声が聞こえます。
「弱者め。外の出身者はこれだからダメなんだ…」
そう愚痴ったのは、先ほど不服そうな顔をしていた騎士・アンジュ卿。
彼の声は小声でしたが、アリアにはしっかり聞こえていました。なぜならセイレンは、聴力をはじめとする全ての感覚が優れているから。
そしてアリアは、手をパタパタと振って彼を呼びつけますがーー
「お呼びですか?ああ、お話が出来ないんでしたね。とんだ失礼を」
アンジュ卿はあざ笑うように言います。
それを聞いたダナは口を慎みなさい!と怒るも、当のアリアは何も言わずじっと彼を見つめるのでした。


12話|無礼な騎士・アンジュ卿は、アリアに嫌味を言う
アリアVSアンジュ卿
アンジュ卿は恭しい態度で礼をするも、その顔は明らかにアリアをあざ笑っています。
「私はただ心配なだけです。奥様のように騎士団の一門出身の方でも耐える事ができないのに、こんなか弱い方が…」
するとアリアはため息をつき、筆談でアンジュ卿に年齢を聞きます。すると彼は24歳だと言うので、アリアは再び紙にメッセージを書きました。
『生まれてから24年余り、卿は自ら得たものがないみたいだけど』
予想外の皮肉に、アンジュ卿は羞恥のあまり顔を真っ赤にして怒ります。
さらに周囲の次女がクスッと笑うので、彼の怒りは高まるばかり。そしてあろうことか、彼はアリアに対して「このガキ!」と悪態をつきますがーーー
その時、ちょうど部屋にロイドがやって来ます。
彼はアンジュ卿の無礼なセリフをしっかり聞いていたので罰を与えようと剣を抜きますが、アリアが必死に首を横に振るので剣を収めます。
しかしアンジュ卿の無礼は許せないので、ロイドは彼に怒りを向けました。
「ガキとは…新鮮な呼び方だな。もっと言ってみろ。最後まで言わなきゃ、俺が誤解してしまうだろ。卿がもうこれ以上生きたくないんだと…」
そしてロイドが言い終えるや否や、傍にいた魔獣2匹が顔を出します。
そのためアンジュ卿は顔を青くして、すぐに謝罪をします。そしてロイドに命令されるがまま、アリアの前で膝をついて土下座するのでした。
ロイドからの贈り物
その後ロイドは、アリアに『ナックル』を手渡して言いました。
「俺がいない間、俺の全ての権力をお前に渡そう」
つまりこの時点でアリアは、ロイドと同等の権力を行使できるようになったのです。


またこの時ロイドは、アンジュ卿の処分はアリアに任せると言います。そして魔獣を従えながら部屋を出ようとしますが・・・
去り際、ロイドは言いました。
「俺が戻るまで外に居場所を見つけろ。二度とこのバレンタイン城に戻って来るな」
そして一方でアリアは、なぜ彼がここまでしてくれるのか理由が分からずにいました。
バレンタイン大公婦人から手紙が届く
翌日の朝、アリアのもとに伝書鳩が飛んできます。その手紙には、次のように書かれていました。
『いざ死ぬ間際になると心残りだったわ。私に送ってくれた春が絢爛としていて、夏はどれほど温かいか秋はどれくらい豊かになるのか冬の楽園はどれくらい真っ白になるのかずっと考えていたわ。だから頑張って、私の生が許される限り耐えてみるわー春の妖精へー』
手紙を読み終えると、アリアはひどく慌てます。
(歌っているところを見られたのかな?私の正体がバレたのかな?)
しかしアリアは焦りながらも、大公婦人を生かしたいと強く願います。
そして大公婦人宛に『全部お見せいたします。春も夏も秋も冬も』と返事を書くと、その手紙を伝書鳩に託しました。
⇒『セイレン〜悪党と契約家族になった〜』13話のネタバレはこちら
『セイレン〜悪党と契約家族になった〜』のネタバレと感想
ネタバレ感想①ロイドの気遣い

12話にてロイドは、アリアに自分の持つ権力をそのまま与えてくれました(ただし彼がいないとき限定ですが)
これでアリアは、ロイドがいなくても騎士や使用人を罰することが出来るようになりました。
つまり、もう誰もアリアをいじめたり悪く言ったりできないのです。多分ロイドは、それが目的でアリアに権力を与えたのでしょう。
そして権力を与えるという事は、少なからずアリアなら権力を乱用しないだろうと信頼しているはずです。
もし彼女がワガママな性格なら、自分と同等の権力なんて与えなかったでしょう。危険すぎますから。
しかしロイドは一方で、アリアに城を出て行けとも言います。
となると恐らくロイドは、バレンタイン城に滞在するのはアリアのためにならないと考えているのでしょう。
ネタバレ感想②大公婦人の心境
12話にて、大公婦人からアリア宛に手紙が届きます。
宛名が『春の妖精へ』となっているので、大公婦人はサクラを咲かせたのがアリアだと気付いたのでしょう。
ただし現時点では、大公婦人がどこまで知っているのかは謎。アリアが歌うところを見ただけかもしれませんし、セイレンだと気付いた可能性もあります。
しかし何にせよ、手紙を送ってくるあたりアリアに感謝しているのでしょう。
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