『ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜』の39話~40話のネタバレと感想です。
ロクサナが謀反を起したことで、アグリチェの子供たちも次々と反旗を翻します。前回はジェレミーたちが教育係を襲撃しに行こうとするとシーンで終了しましたが、その後どうなったのでしょうか?
目次
39話|ラントが捕らえられた後、アグリチェの大人たちは狼狽える
狼狽える大人たち

ラントが捕らえられたという話を聞き、アグリチェの婦人たちは怯えていました。
私達はこれからどうすればいいのか。今からデオンのところに行くべきか。それとも子供たちを集めてどこかに身を隠すべきか。
そんなことを話し合っていると、シャーロット(ロクサナの異母姉妹。4話登場)がどこかに行こうとするので、彼女の母親は必死でシャーロットを引き止めました。
「どこに行くの!お母様をデオンから守ってちょうだい!」
しかしシャーロットは煩わしそうに、ジェレミーから招集がかかったのだと説明します。そして母親とその周囲にいる婦人たちに言い放ちました。
「自分の身は自分で勝手に守って。私たちのことは誰が守ってくれたの?」
その言葉に、婦人たちはハッとするのでした。


その頃のジェレミー
ジェレミーを筆頭としたアグリチェの子供たちは、次々と教育管たちを葬ります。そのため彼らの周囲には『人間だったもの』がたくさん転がっていました。
するとそこにグリゼルダが現れて、ジェレミーに小袋を渡すとロクサナからの伝言を伝えます。
「これ、マリア叔母さんの部屋で吸ってだって」
その指示を聞き、ジェレミーが意味が分からず不思議そうな顔をするのでした。
上機嫌なロクサナと、不機嫌なデオン
ロクサナが部屋でワインを飲んでいると、そこにデオンがやって来ます。
呼んでもいない男が勝手に入って来たのでロクサナは文句を言いますが、それでも今日だけは気分がいいので許しました。そして珍しく、一杯やろうかと彼を誘いますがーーー
デオンはその誘いを断り、ロクサナが来ている男物のコートをじっと見つめます。その顔はいつもと変わらず無表情ですが、どこか苛立っているようにも見えます。
するとロクサナは、そんな彼を見ながら楽しそうに言いました。
「ああ、これ?分かるんだ。カシスがくれたのよ。気に入って着てたの。私がこうしているのを見ると、気持ち悪いの?」
しかし彼は眉ひとつ動かさず、淡々とした調子で反論します。
「俺はアシルを始末したことを後悔していない。当時に戻っても、また躊躇なく同じことをするだろう」
またデオンはこの時、今度はロクサナが見ている前でアシルの首をはねてやろうか…と物騒なことを言い出しました。
40話|デオンの物騒な言葉に、ロクサナは何と言い返すのか?
ロクサナとデオンの本心

デオンは不気味な笑みを浮かべながら語ります。
「アシルを殺してしまったのが残念なくらいだ。だが無駄だな、あいつはもう死んだ。だから次に、お前の母・シエラを目の前で殺したくなった。お前もそれを知っているから、俺の母にシエラの保護を任せたんだろう」
その言葉を、ロクサナはただ静かに聞いていました。
彼女は知っているのです。デオンの言葉の全てが真実であることを。
そして今夜は二度と来ない貴重な夜だから、こんな話をすることが可能なのかもしれません。
するとその時、デオンはふと疑問を口にしました。というのも2人が契約を交わしたあの日。ロクサナはデオンの望みが分かると言っていましたが、それは妙なのです。なぜならデオン本人ですら自分の望みを理解していないのですから。
するとロクサナは、ようやく口を開きました。
「私はね、今まで自分が生き残るためだけに生きてきたの。でも今考えてみると、それは私の本当の目的ではなかったと思う。しぶとく生き残ってでも、やりたいことがあったの。あなたは私の望みが何か知っている?」
その質問にデオンは“知っている”と答えます。そして同時に言いました。
「もしお前が望むものを与えれば、お前も俺の望むものをくれるのだろう」
そして2人は無言で見つめ合います。彼らは互いに、相手だけが唯一自分を理解できる存在だと知っていたのです。


ラントの部下から親書を奪い取る
デオンが部屋を出て行った後、ロクサナは庭に向かいます。
そして屋敷から脱出しようとしていた使用人の1人を毒で気絶させると、彼が持っていた手紙―――ラントがベルティウム当主に宛てた親書―――を奪い取りました。
「お父様が大切にしていた部下たちを全員処分したとはいえ、毒に耐性がない人を配達役に使うなんて」
ロクサナは独り言を言いながら、親書に目を通します。するとそこには次のように書かれていました。
以前のことの対価として、早急に兵力を送って欲しい
ーラント・アグリチェー
するとその時、ジェレミーがロクサナのもとにやって来ました。
ジェレミーはロクサナに指示された通り、使用人たちを全員別館に移動させたと報告します。
ジェレミーはなぜ彼女がそんな命令をするのか不思議に思っていましたが、姉に言われたことなので忠実に命令を遂行したのです。
親書に書かれた意味について
ロクサナは1人で廊下を歩きながら、ふと親書について考えます。
(そういえば、親書に書かれた『以前のこと』とは何かしら?いずれにせよ対価として兵力を要請するとなると…)
しかしロクサナは考えるのが面倒になり、燭台のロウソクで親書を燃やしてしまいます。どうせ今となっては、全て意味のないことだと思ったのです。
⇒『ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜』41話ネタバレはこちら
まとめ『ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜』のネタバレと感想
39話のネタバレと解説

アグリチェの子供たちは、今まで自分を苦しめてきた教育係たちに復讐をします。
ラントが健在であれば処罰を恐れて反撃などしませんが、彼は現在ロクサナに捕らえられているので、子供たちはここぞとばかりに大暴れしました。
何というかこの子たちは、よほど苦しかったのでしょうね。
シャーロットの台詞から推測できますが、アグリチェの子供たちは好きで今のような生活を送っているワケではないのでしょう。ロクサナと同じで、生き延びるために仕方がなく厳しい訓練に耐えてきたと思われます。
それこそ本心では、周囲の大人たちに助けて欲しかったはずです。
けれど大人たちは誰一人として子供たちを助けなかったので、見捨てられてしまいました。
40話の補足|2人の関係について
ロクサナとデオンは現状、互いが互いを唯一理解しています。
ロクサナを理解できるのはデオンだけで、デオンを理解できるのはロクサナだけ。そしてアグリチェの中で、彼女の本当の願いを知っているのもデオンだけのようです。
皮肉な話ですよね。憎んでいる相手が自分の唯一の理解者なのですから。
仲のいいジェレミーや母親のシエラが理解者というならまだ救いがありましたが、よりによって理解者がデオンなのだから、本当に残酷な話だなと思いました。
⇒『ロクサナ〜悪女がヒロインの兄を守る方法〜』41話ネタバレはこちら