『悪女が恋に落ちた時』のネタバレと感想です。78話のストーリーを紹介します。
ダニエルはロバイン王国の第1王子として生まれながらも、幼少期から兵器として育てられ過酷な日々を送っていました。
しかし剣術の師匠・セインが現れてから、彼の日常に小さな変化が訪れます。
剣術の師匠・セインは、ダニエルを家に招待する
ダニエルは子供たちの相手をする羽目に

ある日ダニエルは、剣術の師匠であるセインの家に招待されます。
セインによればこれも訓練の一環らしく、彼の家族(年齢の離れた妹1人と弟2人)と一緒に過ごすのが今回の目的らしいですがーーー
セインの弟妹たちは非常に騒がしく、ギャアギャア騒ぐのでダニエルは疲れ果ててしまいます。
というのも妹はダニエルを見るなり頬を赤らめ、一方で弟は敵意をむき出しにするのです。このような状況下に置かれたダニエルは、床に倒れてしまいました。
(この子たちが今まで見た相手の中で一番手強いかもしれない。そういう意味では訓練と言えるな…)
そんな事を考えていると、末っ子の男の子に指でちょんと突かれます。そのため驚いて飛び起きると、なぜかその子が頬を膨らませて泣き出したのでダニエルは途方に暮れるのでした。


人はこれを嫉妬と呼ぶ
するとその時セインがやって来ました。
「こら!王子様の前では礼儀正しくしないと。ハハ、王子様も本当に…子供をみんな泣かせてしまって」
彼は笑いながら末っ子の頭をなでると、ダニエルに「私の家族と一日を過ごした感想はどうでしたか?」と尋ねますがーーー
ダニエルは不機嫌そうな顔で、すごく嫌だったと答えるのでした。
セインは『思い出の場所』で、自分の子供時代について語る
セインからのプレゼント
そして日が暮れると、セインは“プレゼント”と称してダニエルをある場所へと案内します。これも訓練の一環だと言われたので、ダニエルは素直に付いて行きますがーーー
その場所は森の中にあるため非常に遠く、空が暗くなってもまだ到着しません。
それでも汗だくになりながらも彼に付いて行くと、ようやく目的地に到着しました。
到着したのは、美しい夜の湖だった
ダニエルが連れて来られたのは、森の中にある大きな湖。空には満月が輝いており、周囲にはホタルが飛んでいます。
その幻想的な光景を目にしたダニエルが瞳を輝かせていると、セインは自らの生い立ちを語りました。
「弟たちが生まれる前に、戦争で亡くなった両親と来た場所です。俺は傭兵生活をしながら、3人の弟妹たちを育ててきました」
セインは目を閉じると、いまも両親との記憶が鮮明に思い浮かぶそう。風が吹いて月光が差し、母親が一緒に手をつないで笑いかけてくれる。たったそれだけのことが、涙が出るほど幸せだったのだと語ります。
けれど、その幸せな瞬間はすぐに終わりを迎えます。そして両親亡き後、セインはいつも1人でここに来ていました。彼も両親のあとを追いたかったのです。
しかしそれは、あくまで子供時代のはなし。今のセインは、弟や街の人たちと暮らせる今の人生を「プレゼント」だと思っています。
そして彼は、夜空を見上げながらダニエルに言いました。
「もし生きるのが大変で疲れる日が来たら、みんなが俺にそうしてくれたように、あそこに浮かんでいる月のように、俺がいつも傍にいてあげます。今は大変でも、たった一つの何かがあれば人は生きていけます。それを人は…”希望”と呼びます」
そしてセインが満面の笑みを浮かべると、ダニエルはぽつりと言いました。
「…実を言うと、社会性教育を陛下が許可したというのは嘘だ。剣術や潜入の訓練だけ受けて来たのに、急にこんなことを承諾するはず無いだろう」
突然のカミングアウトに、顔を青くして慌てるセイン。しかしダニエルは彼に構わず、小声で呟きました。
「お前は考えるほど師匠に向いていない。…兄弟ならともかく」
その声はあまりに小さかったので、セインには届きません。
するとダニエルは、セインを放ってさっさとその場を去りますがーーーこの時、心から嬉しそうに微笑んでいました。


皇帝と部下による不穏な会話
よく晴れたある日。ロバイン王国の皇帝は、部下からダニエルにまつわる報告を受けていました。
「その者は王子をかどわかし、陛下に承認されてもいない授業を進めていました。また最近は、外出禁止の王子を城外に連れ出した痕跡が見つかっています」
さらにその部下は、セインが帝国のスパイかもしれないと言い出します。それを聞いた皇帝は険しい顔をして、セインをこの場に呼び付けるよう部下に命令しました。
悪女が恋に落ちた時78話|ダニエル編のネタバレと感想
78話のネタバレと感想|不穏すぎるラスト

セインは社会教育と称して、ダニエルをあちこち連れ回します。
なおダニエル本人は嫌そうな顔をしながらもセインの指示を聞いているので、本心では嫌がっていないのでしょう。
なにせ毎回彼と出かけた後は、嬉しそうにしていますから。
78話のラストではセインに対して「師匠には向いていないけれど兄弟ならアリ」的なセリフを言っていたので、セインのことを好いているのでしょう。
多分彼は、ダニエルにとって生まれて初めての友達ですから。
しかし、ここで問題が発生します。
というのもダニエルはこの”社会性訓練”をする際、皇帝に許可を取っていなかったのです。
なおセインには「許可が出た」と嘘をついていますが、本当は降りていません。
さらにその事実が皇帝にバレてしまい、78話のラストではセインが呼び出されるという不穏な終わり方をしました。