映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』のタイトルの意味について考察しました。
意味ありげな長いタイトルですが、どんな設定が隠されているのでしょうか?
また、原作本の『少年たちは花火を横から見たかった』からタイトルが変更になった理由についても紹介しています。
『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』のあらすじと設定
映画のあらすじ
島田典道は、同級生の及川なずなに恋をする男の子。
しかし、なずなは母親が再婚するため転校することに。そこで、なずなは典道と一緒に駆け落ち(町から脱出)しようとします。
とはいえ逃げ切れるはずもなく、なずなは途中で母親に連れ戻されてしまいます。
その時、典道はただその光景を見ているだけで、彼女を助けられませんでした。
この出来事を後悔していた典道は、やりきれない思いから海に「不思議な玉」を投げつけます。
するとその時、なずなが連れて行かれる前まで時間が巻き戻ったのです。
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設定をザックリ説明すると?
映画のキャッチコピーは「繰り返す夏休みの1日、何度でも君に恋をする」。
お察しの通り、少年が時間をループする内容です。
タイトルに込められた意味
ところで、この映画のタイトルは一風変わっていますよね。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」という会話のようなタイトルですが、何か意味があるのでしょうか?
また、映画のストーリーとタイトルにはどのような関係があるのか、考察をまとめました。
発端はクラスメイトの会話
典道(主人公)のクラスメイトたちは、花火大会を前にして「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか?平べったいのか?」という会話で盛り上がります。
打ち上げ花火について、空想を膨らませる少年たち。同じものでも、見方によって景色が変化するなら素敵ですよね。
そしてこの会話は、タイトルの意味を理解する上でとても重要になってきます。
タイトルは視聴者に「IF」を問いかけている
打ち上げ花火を下から見るか。横から見るか。
この映画のタイトルのように、見る位置によって見え方が変わるなら、色々な位置から花火を見てみたいものですが…
実際の打ち上げ花火は、どの角度から見ても丸に見えます。
横から見ようが下から見ようが、同じ丸にしか見えません。
これは現実世界にも言えることで、どうあがいても結末を変えることはできないのです。
けれど、もし平べったい花火が見れるとしたら、あなたはどうしますか?どこから見たいと思いますか?
この映画では「IFの世界があったら何をしたいか」を問いかけているのでしょう。
選択肢によって結果が変化する世界だったら、あなたは何をしたいのか。
そんな”空想”を湧き立てるのが、この映画の見どころです。
つまり、映画のタイトルには「もし打ち上げ花火が平べったい場合、どこから見ますか?何をしたいですか?」という意味が込められているのでしょう。
原作本とタイトルが違う理由
原作のタイトルは『少年たちは花火を横から見たかった』
ご存知の方も多いかと思いますが、この映画には原作があります。
『if もしも』というオムニバスドラマシリーズ(1993年8月26日放送)がオリジナルで、岩井監督の原作本は『少年たちは花火を横から見たかった』というタイトルでした。
映画と原作のタイトルが違う理由
映画と原作本はタイトルが違います。
初期段階では、映画のタイトルも『少年たちは花火を横から見たかった』でしたが…
しかし、次の理由からタイトルが変更になったそうです。
岩井俊二が作成した初期の脚本段階での原題は『少年たちは花火を横から見たかった』であったが、撮影前に『If もしも』側のスタッフの強い意向により、現在のタイトルに差し替えとなった。これは、各エピソードのタイトルは『〜するか、〜するか』という形で統一するというルールが番組にあったためである。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/
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